韓国民法と日本民法の違い:法定相続人の範囲、順位

(1)亡くなった時点の国籍が韓国籍の場合、日本在住の方でも韓国の法律に基づいて相続手続きをしなければなりません。

ただし、亡くなる前に「相続は日本法に準拠する」旨の遺言書を残されている場合は、日本の法律で相続手続きができます。

(2)たとえ残された遺族の方が帰化済みの日本人であっても、故人が韓国籍なら韓国法に基づいた相続手続きをしなければなりません。

◎韓国の法定相続人の範囲、順位

順位
第1順位配偶者
直系卑属(子供、孫など)とその代襲相続人
第2順位配偶者
直系尊属(父母、祖父母など)
第3順位兄弟姉妹とその代襲相続人
第4順位4親等内の傍系血族(叔父、叔母、甥、姪、従兄弟(いとこ)など

(1)配偶者

日本法と同様、常に相続人となります。

①被相続人に配偶者がいれば、第3順位以下は相続人になりません。

②妻の相続分は子供一人あたりの相続分の1.5倍です。

例えば、相続人に配偶者と子供2人がいた場合、配偶者3/7、子供各2/7となります。

③子供が先に死亡していた場合に孫だけではなく子供の配偶者も相続人になる。

つまり、「代襲相続人」に子供の配偶者も含まれる。

(2)直系卑属

①子供と孫がいる場合、被相続人に近い子供が相続人(子供が複数人いれば、共同相続人)となります。

②配偶者と子供が全員相続を放棄しても、第1順位は「直系卑属」なので、直系卑属である孫が相続権を持ちます。

つまり、孫まで相続放棄をしてはじめて、第2順位の相続人に相続権が移動します。

(3)兄弟姉妹

①代襲相続

日本法では、第3順位の兄弟姉妹が相続人となる場合、代襲相続は一代までです。

つまり兄弟姉妹がすでに亡くなっていた場合、代襲相続人はその甥や姪までです。

これに対し、韓国法では、兄弟姉妹の直系卑属が代襲相続人となるため、甥や姪の子供も代襲相続人となることもあります。

再代襲が認められてます。

②遺留分

日本法と異なり、韓国法では兄弟姉妹にも遺留分が認められてます。

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