ペットショップとの契約書に…
1、債務不履行責任
◎事例:
ペットショップで購入した犬が病気に。間もなく死んでしまいました。
しかし、ペットショップとの契約書には「ペットは生き物であり、現状有姿で販売します。返品、引き取り、交換、損害賠償はできません」とする条項がありました。
まず、ペットショップの債務不履行により損害を被った買主は、損害賠償を請求することが出来ます(民法第415条)。
具体的には、死亡した成犬の治療費、葬儀費用、成犬の時価相当額等を請求できます。
また、買主が代わりのペットの提供の請求などをしたにもかかわらず、ペットショップがこれに応じない場合、売主に対して相当の期間を定めて履行を催告、それでもなお売主がその期間内に履行を行わない場合は、買主は契約を解除することが出来ます(民法第541条)。
2、契約不適合責任
次に、ペットショップは履行したとはいえないので、買主はペット販売者に対し、契約不適合責任として、履行の追完請求ができます(民法562条第1項)。
履行の追完請求の内容として、病気の治療、代わりに同種のペットの引き渡しを求めることが考えられます。
ペット販売者が履行の追完に応じない場合、買主は不適合の程度に応じ、代金の減額を請求できます(民法第563条)。
契約不適合責任を追求する場合、原則として、不適合を知った時から1年以内にその旨を通知しなければなりません(民法第566条)。
3、消費者契約法
さらに、この契約書は「返品や引き取りができない、交換も損害賠償も請求できない」とあり、売主としての責任を全面的に免除しています。
消費者契約法では、業者の損害賠償責任、契約不適合責任を全面的に免除する規定や、消費者による契約の解除を認めない規定は無効と定められています(第10条)。
したがって、当該契約書の条項は無効です。
上にあるように、買主は、①死亡した成犬の治療費、葬儀費用、成犬の時価相当額等を損害賠償請求②病気の治療、代わりに同種のペットの引き渡しを求める契約不適合責任の追及が可能です。
※参考:「消費者庁HP」
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