遺言執行者は単独で相続登記できます
1、遺言執行者
「遺言執行者とは、故人の遺志を実現するため、遺言書に記された指示に従い、必要な職務を遂行する者のことです。
◎遺言執行者が必要な場合
①遺言書の内容をスムースに実現させたい
②遺言書で「相続人廃除」や「認知」「特定遺贈の履行」に関する記載があるとき
2、単独で相続登記できます
亡くなった方が生前遺言書にて遺言執行者を選任していた場合、遺言執行者が単独で相続登記を行うことができます。
ただし、遺言執行者が単独で相続登記できるのは2019年7月1日以降に作成された「特定財産承継遺言」のみです。
「特定財産承継遺言」とは、特定の財産を特定の相続人に相続させると記載した遺言書のことをいいます。
例えば、「預貯金は妻Aに相続させる。不動産は長男Bに相続させる」旨記載された遺言書です。
3、遺贈登記を単独で相続登記できるのは遺言執行者のみ
法定相続人以外に財産を相続させる「遺贈」による登記は、受遺者のみで行うことはできません。
単独で登記できるのは遺言執行者のみです。
なので、遺言執行者がいない場合、相続人全員と受遺者で登記申請を行わなければなりませんが、得てして足並みが揃わず、手続きが進まないことが多々あります。
遺言書にて遺贈する際は、遺言執行者を選任しておきましょう。
4、遺言執行者の権限
遺言執行者は、相続登記の他にも、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為を行う権限を持っています(民法1012条)。
2019年7月、民法の改正により、遺言執行者の権限がより明確となりました。
①遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。
(民法1015条)
②遺言の執行の妨害行為の禁止(民法1013条)
③遺言の執行を開始したことを相続人へ速やかに通知すること(民法1007条)
④預貯金の払戻の権限の明確化(民法1014条3項)
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