外国人がホテルフロント業務を行うには
1、在留資格「技術・人文知識・国際業務」
「技術・人文知識・国際業務」とは、外国人労働者が保有している専門的な知識や技術を日本へ還元することが目的で、自然科学や人文科学などの専門知識や、外国の文化についての知識が必要な業務をおこなうための在留資格をいいます。
(1)技術:
システムエンジニア、プログラマー、情報セキュリティーの技術者など
(2)人文知識:
企画、営業、経理、法務、総務、コンサルティング、商品開発など
(3)国際業務:
通訳、翻訳、デザイナー等
2、申請の要件
◎要件
①学歴(職歴)と業務内容の関連性がある
②学歴は海外か日本の大学卒業、もしくは日本の専門学校卒業以上
③企業の経営状態が良好
④給与の水準が日本人と同等かそれ以上
3、ホテルのフロント
(1)学歴(職歴)と業務内容の関連性がある
ホテルフロント業務で、外国人の接客を行う場合は、ほとんどの場合、通訳翻訳が主たる業務となってくると思われます。
つまり、当該ホテルで翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝その他これらに類似する業務に従事すること、が必要です。
なお、出入国在留管理庁が掲載している「許可事例」として以下のものがあります。
「本国において大学の観光学科を卒業した者が、外国人観光客が多く利用する本
邦のホテルとの契約に基づき、月額約22万円の報酬を受けて、外国語を用いた
フロント業務、外国人観光客担当としてのホテル内の施設案内業務等に従事するもの」
(2)学歴は海外か日本の大学卒業、もしくは日本の専門学校卒業以上
本人が学士、準学士の学位を持っていること。もしくは日本の専門学校(通訳学科、観光学科等)を卒業し、専門士の学位を得ていることが必要です。
学歴の要件を満たさない場合でも、10年以上の実務経験があれば学歴要件は問われません。
この経験には、大学や専門学校で関連科目を専攻していた期間も含まれます。
翻訳・通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務などの「国際業務」に従事する場合、3年以上の実務経験があれば認められることがあります。
4、フロント業務以外で「技術・人文知識・国際業務」を取得している外国人が従事できるホテル業務
フロント業務以外で「技術・人文知識・国際業務」を取得している外国人が従事できるホテル業務として以下のものなどを挙げることができます。
①外国人観光客担当として、ホテル内の施設案内業務
②従業員に対する外国語指導の業務
③集客拡大のための本国旅行会社との交渉での通訳・翻訳業務
④外国語版ホームペ-ジの作成
⑤集客拡大のためのマーケティングリサーチ
5、注意点
「技術・人文知識・国際業務」の外国人には、原則として単純労働をさせることができません。
ホテルでの業務ですと
①ホテル内の飲食店での接客作業
②ベッドメイキング、部屋の清掃
③料理の搬送
などが単純労働に該当します。
また、出入国在留管理庁が掲載している「不許可事例」として以下のものがあります。注意しましょう。
「本国で日本語学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の旅館において、外国人
宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが、当該旅館の外国人宿泊客の大半
が使用する言語は申請人の母国語と異なっており、申請人が母国語を用いて行う
業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの」
※参考:「出入国在留管理庁HP」
※参考:「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」
※参考:「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」
~関連記事~
外国人が日本に在留するための入管手続きは,出入国在留管理局への申請が必要です。
入管手続きは原則的に日本への在留を希望する外国人が自ら行わなければなりませんが、申請取次行政書士であれば外国人の代わりに申請を行うことが可能です。
山梨県、甲府市で、申請書一式と理由書作成。入国管理局への申請代行から結果受取まで、お困りでしたら申請取次行政書士にご相談を。
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◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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