親が亡くなる寸前、入院費、葬式代捻出のためにATMで親の預金を毎日限度額まで引きだしていたら預金凍結されますか?
1、事例
親が亡くなる寸前です。入院費、葬式代捻出のため(つまり、悪意は全くない)、ATMで親の預金を毎日限度額で引き出してました。
銀行口座が凍結することはあるんでしょうか?
2、銀行から問い合わせがくる可能性がある
銀行は過去10年分の入出金の履歴を見ることが出来ます。
これまでとは明らかに違うお金のおろし方(履歴)を発見したら、銀行口座の名義人(親)に確認の電話が入る可能性があります。
期間については銀行によって様々です。
毎日おろす限度額が決まってますし、いずれにしても、いきなり予告なしに口座を凍結する可能性は低いです。
親の死亡後も銀行に死亡した旨連絡するまではお金をおろすことができますが、現実の問題、この期間はお金をおろすどころではないでしょう。時間的に余裕があるなら、お金に余裕がないなら、亡くなる前にある程度の金額をおろしておいた方がよいです。
3、そのおろしたお金は相続財産
親の銀行口座からおろしたお金を入院費に捻出するのは勿論、死亡後に葬儀代にあてるのは可能です。
問題ありません。
ただ、そのお金は「相続財産」です。遺産分割協議の際、財産目録を作成しますが、その中の「預金」の中におろした金額を加えておかなければなりません。
おろした金額については通帳記入すれば証明できます。
自分の相続分の範囲内なら「自分の取り分から先払いを受けた」との解釈が成り立つので揉める可能性は低いです。
4、葬儀費用は相続税控除の対象に
◎相続税控除の対象になるもの
①ご遺体の搬送費用
②死亡診断書の発行費用
③火葬にかかった費用
④通夜、葬儀の際、葬儀社に払った費用
⑤埋葬、納骨の際かかった費用
等
◎相続税控除の対象にならないもの
①初七日・四十九日などの法要にかかる費用
②香典返しの費用
③墓地、墓石の購入費用、墓地の借入料
④位牌、仏壇の購入費用
等
5、生前に相続税対策としてお墓、仏壇を購入
ちなみに、お墓、仏壇等、祭祀財産の購入については、相続発生後は相続税控除の対象になりませんが、生前なら相続税の節税となります。
かかる税金は消費税のみ。
最初から相続財産とみなされない「非課税財産」として扱われます。
生前に購入すれば「非課税財産」なのに、死後なら何の控除も受けられない点に注意が必要です。
投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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