終身建物賃貸借契約

１、終身建物賃貸借契約

「終身建物賃貸借契約」とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者単身・夫婦世帯等が終身にわたり安心して賃貸住宅に居住することができる仕組みとして、借家人が生きている限り存続し、死亡時に終了する相続のない一代限りの借家契約です。

基本的に入居できるのは６０歳以上に限られます。

ただし、６０歳以上の配偶者との同居であれば、６０歳未満でも入居ができます。

なお、終身建物賃貸借契約をするには、対象となる不動産が一定の要件を備え、都道府県知事の認可を受けている必要があります。

あと、公正証書等の書面による契約に限ります。

２、終身建物賃貸借契約のメリット

（１）死亡するまで住み続けることができる

賃借人が死亡するまで同じ家に住み続けることができます

（２）契約終了後の手続きが簡単

賃借人の死亡によって契約が終了するので相続が発生せず、契約終了の手続きが不要です。

なお、同居配偶者は、賃借人の死亡を知った日から１ヵ月以内に申し出れば、引き続き居住が可能です。

（３）バリアフリーの要件を満たしている

段差のない床、浴室の手すりなどが備わっており、高齢者にとって住みやすい作りになってます。

３、終身建物賃貸借契約のディメリット

「終身建物賃貸借契約」を利用できるのは、都道府県知事から認可を受けた不動産に限られてます。

まだまだ認可されている不動産は少ないのが現状です。

住みたいエリアに「終身建物賃貸借契約」に対応した物件がないこともあります。

４、賃貸人の手続き

賃貸人が「終身建物賃貸借契約」をするには、事前に都道府県知事の認可を受ける必要があります。

◎手続きの流れ

㋐賃貸住宅の概要や賃貸条件等を記載した「事業認可申請書」を作成

㋑間取図等を添付

㋒申請前にバリアフリーに適合した施設を用意しておく

↓

都道府県知事等、自治体の長に提出

※参考：「国土交通省ＨＰ「終身建物賃貸借契約 の 手引き」

※参考：「国土交通省ＨＰ「終身建物賃貸借標準契約書」

※参考：「山梨県ＨＰ」（知事（甲府市内においては甲府市長）の認可が必要）