内縁関係を証明するには
1、内縁関係
「内縁関係」とは、婚姻届こそ提出していないものの、お互いに婚姻の意思があり、実質的には結婚している夫婦と同様の状態にある関係をいいます。
結婚していれば、戸籍謄本で夫婦であることを簡単に証明できますが、内縁関係の場合はそれはできません。
内縁関係でも結婚している夫婦と同じような法的保護を受けられる場合があり、そのような場合に、内縁関係の証明が必要になります。
2、内縁関係を証明しなければならない場合
(1)内縁関係解消の際の「財産分与請求」「養育費請求」「慰謝料請求」など
内縁関係が解消された場合、法律婚と同様に財産分与や養育費、慰謝料の請求が生じることがあります。
内縁の妻や夫としてこれらの権利を主張するには、まずその内縁関係があったことを証明する必要があります。
(2)遺族年金を受け取る場合
原則として、遺族年金の受給資格を得るには、被保険者との間に法律婚があったことを証明する必要があります。
しかし、内縁関係(事実婚状態)でも「生計を維持されてきた遺族」(配偶者や子供など)含まれるので、受給要件を満たしていれば遺族年金を請求できます。
(3)緊急時の意思決定権
例えば、病院での面会や医療において治療方針に対する同意権を行使する際、内縁関係を証明する必要があります。
(4)保険の受取人として内縁の妻や夫を指定する場合
※参考:「厚生労働省HP「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が 困難な人への支援に関するガイドライン」
3、内縁の証明書類
(1)住民票
住民票を同じにして、一方の「続柄」の欄が「妻(未届)」や「夫(未届)」と記載してあれば、その住民票を内縁関係を証明する者として使えます。
つまり、
①住民票を同じにしているのが、一緒に住んでいることの証明になります。
②「続柄」が「妻(未届)」や「夫(未届)」になっていれば、婚姻の意思がある証明になります。
(2)健康保険証
健康保険法により、「配偶者」には「事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」とされています。
なので、内縁関係でも、一定の要件を満たせば、内縁の妻(夫)を健康保険の被扶養者にすることができます。
(3)遺族年金証書
「遺族年金」とは、国民年金や厚生年金、または共済年金の被保険者が死亡したとき、被保険者によって生計を維持されていた遺族へ支給される年金です。
健康保険と同様、ここでいう「配偶者」には事実婚状態にある者が含まれてます。
なので、内縁関係であっても、受給要件を満たしていれば遺族年金を請求できます。
請求が認められると、「遺族年金証書」が送られてきますが、この証書を内縁関係の証明として使え
ます。
~関連記事~
投稿者プロフィール

- 行政書士
-
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」
お気軽にご相談下さい。
最新の投稿
後見、身元保証2025年4月12日生前事務委任契約
相続2025年4月12日相続分譲渡証明書
遺産分割協議書2025年4月12日[遺産分割協議書]「相続分の放棄」をする相続人がいる場合
相続2025年4月12日相続放棄する相続人がいる場合の遺産分割協議書