貸金庫に入れてはいけないもの
1、貸金庫に入れてはいけないもの
(1)遺言書
相続人が貸金庫の存在を知らなかった場合、貸金庫を借りている金融機関の相続手続きを開始して初めて知ることになります。
相続人が貸金庫の開扉手続きし、中身を確認するまで、遺言の存在、内容を相続人は知ることはできません。
遺言がない場合、相続人が遺産分割協議を行い、財産分けを協議、決定しますが、それが一から覆されることになります。
なので、貸金庫に遺言書を入れてはいけません。
(2)保険証券
保険証券も遺言書と同じく、です。
貸金庫に入れてしまうと遺族が保険証券の内容を確認できず、生命保険金を請求することができなくなります。
(3)現金
貸金庫に現金を入れておくと、所得隠しなどを疑われるリスクもあります。
2、貸金庫に入れてもよいもの
①貴金属、宝石
②契約証書、権利書
など。
3、貸金庫に入れるリスク:相続対策
遺言書なくして死亡すると、死亡を知った銀行は貸金庫を凍結しますが、解除するには原則として相続人全員の立ち合いが必要になります。
対策としては、遺言書を残し、遺言書の中で遺言執行者を指定。貸金庫を開ける権限を明確に記載しておきます。
「遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」と規定されてますが(第1012条1項)、銀行はクレームを恐れる余り、他の相続人全員の同意を要求してきます。
遺言書で明確な権限を与えておけば一安心です。
4、貸金庫に入れるリスク:認知症対策
貸金庫の利用者が、認知症により判断能力を失った場合、貸金庫を開けることができなくなるリスクが発生します。
対策として以下のものが挙げられます。
(1)家族信託
「家族信託」は、所有権を「財産権(財産から利益を受ける権利)」と「財産を管理運用処分できる権利」とに分けて、後者だけを子供等に渡すことができる契約です。
例えば、信頼できる親族に将来の入院費、施設入居の費用を捻出するために、実家を売却することを受託者に託する際、貸金庫に権利証がある旨、契約書に記載しておけば安心です。
(2)任意後見契約
「任意後見契約」とは、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、予め「任意後見人」を選任することを内容とする契約です。
任意後見契約の発動には、医師の診断書により本人の判断能力の低下を確認したうえで、家庭裁判所に対し「任意後見監督人」の選任を求める必要があります。
その際、任意後見監督人に対する報酬が発生します。
家族信託と同じく、貸金庫に権利証がある旨、契約書に記載しておけば安心です。
ただし、実家のような重要な財産については、売却の際、家庭裁判所の許可が必要になります。
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投稿者プロフィール

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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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