運転中に他人の飼い犬を轢いてしまった

道路交通法によると、動物を轢いた場合は物損事故という扱いになります。

動物を轢いてしまい、死亡させてしまった場合でも基本的に罪に問われることはなく、減点や罰金などの罰則が科せられることもありません。

ただ、道路交通法72条1項は、物損事故を起こした者にも「危険防止等措置義務」と「報告義務」を課しています。
そして、危険防止等措置義務違反の場合には「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」(道交法117条の5第1号)とされ、報告義務違反の場合には「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する」(道交法119条1項10号)とされています。


なので、ただ物損事故を起こしただけでは刑事責任を問われることはありませんが、危険防止等措置義務や報告義務に違反すると刑事罰を受ける可能性があり得るということになります。

故意に飼い犬を轢いた場合、刑法261条の動物傷害罪(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金)や動物愛護法(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金)で処罰される可能性があります。

しかし、故意でなく過失の場合は、これらの罪に問われることはありません。

交通事故においては、慰謝料は人間が怪我をしたり死亡した場合に請求可能です。

「モノ」が壊れた場合には慰謝料の請求が認められることはほとんどありません。

犬についての慰謝料が認められた事例はあるものの、左程高額な慰謝料は認められません。

慰謝料が認められる場合は、その飼育年数や、自動車側の過失の大きさ等によってその金額が判断されます。

犬が道路に飛び出したというように飼い主側の過失が大きい事例では、慰謝料自体が認められない可能性もあります。

そして、交通事故においては、ペットは「モノ」扱いです。モノであるペットが怪我もしくが死亡した場合、時価額を上限として賠償を支払います。

時価額とは、現在同等のモノを購入する場合に必要な金額です。

犬が死亡した場合、同じ年齢の犬を購入するために必要な費用となります。

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