危急時遺言（緊急時の遺言）

１、危急時遺言（緊急時の遺言）

疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人３人以上の立会いを以って、その１人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる（民法第９７６条１項）

「危急時遺言」とは、遺言者に生命の危機が迫り、すぐに遺言書を作成しなければならない状態の場合に作る遺言書のことをいいます。

緊急性が高いため、口頭で遺言を遺すことを許されてます。

証人が代わりに書面化することにより作成されます。

２、危急時遺言の要件

（１）証人３人以上の立ち合い

未成年者、推定相続人及び受贈者、配偶者や直系血族、公証人の配偶者、４等身内の親族などは証人にはなれません。弁護士、司法書士、行政書士などが証人になるのが一般的です。

（２）遺言者の発言を受けた者がその内容を書面化

その場で証人の１人が遺言を書面化し、作成します。

（３）書面化した内容を遺言者及び証人に読み聞かせるなどして内容に誤りがないか確認

（４）証人全員が署名、押印をする

３、危急時遺言作成後の手続き

危急時遺言を作成した場合、遺言を作成した日から２０日以内に遺言の立会証人のうち１人または利害関係人から家庭裁判所へ申立て、家庭裁判所の確認を得ることが必要となります。

◎必要書類

①申立人の戸籍謄本

②遺言者の戸籍謄本

③立会証人の住民票か戸籍の附票

④遺言書の写し

⑤医師の診断書

家庭裁判所が本当に遺言者の意図であることの心証を得た時に確認の審判をされます。
確認がされた場合、遺言書作成時にさかのぼって遺言者本人の行った遺言として完成します。
遺言の確認が完了したら、家庭裁判所の検認を得ることが必要です。

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