空き家を「高齢者向け介護施設」として活用
1、空き家を高齢者向け介護施設として活用するメリット
(1)補助金を活用できる場合がある
自治体によっては、空き家の解体、高齢者向け介護施設の建築や改築に補助金制度が用意されてます。
(2)税制面で優遇されている
サービス付き高齢者向け住宅について、新築の賃貸住宅で一定の要件を満たすものに対して課する固定資産税を、一戸当たり120㎡相当部分につき、5年間、2/3を参酌。
1/2以上5/6以下の範囲内において市町村が条例で定める割合を減額する。
また、サービス付き高齢者向け住宅について、 新築の賃貸住宅で一定の要件を満たすものを取得した場合、不動産取得税の課税標準から一戸につき1200万円を控除する。
(以上、総務省HP)
(3)必ずしも都心部である必要はない
一般的に賃貸物件は「立地条件」が大きな要素です。
しかし、高齢者向け介護施設では、そこまで大きな要素ではなく、郊外でも十分賃貸の需要があります。
都心から離れ、売却が難しい空き家でも、利用が見込まれる余地があります。
2、空き家を高齢者向け介護施設として活用するディメリット
(1)法的な要件が厳しく、コストがかかる
サービス高齢者住宅を建設するには
①専用スペース
㋐各専用部分原則25㎡以上
㋑リビングやキッチン、食堂などの共有スペースを利用できる設備が整っている場合、18㎡以上25㎡未満の床面積
②共有スペース
館内はすべてバリアフリー構造。緊急通報装置や見守りセンサーなども設置
などの要件があります。
要件を満たさないと「高齢者向け介護施設」として認定されないので、ある程度の初期投資が必要です。
(2)サービスの内容がカギ
サービス高齢者住宅は
①一般型:
自立した方が対象
②介護型:
介護サービス介護ケアを要する方が対象
に分かれてます。
後者については、人員基準が定められてますが、前者については、外部介護サービスが必要なれば、外部のサービスを利用することになるので、定められていません。
運営を考えるにあたっては、サービスの内容を考慮する必要があります。
3、まとめ
サービス高齢者住宅に入居するための費用に介護保険を使うことはできません。
なぜなら、家賃や生活面のサービスは介護保険の適用外であるためです。
訪問介護施設のように介護保険の対象の施設については、厚生労働省の「介護加算」により、報酬が決まります。
これに対し、サービス高齢者住宅は、介護保険の適用外である上に国土交通省管轄です。
住人の月額利用料によって経営が成り立ってます。
高齢化社会が進む中、経営次第で伸びる分野でもあります。
空き家の解消と合わせ「一石二鳥」となれば何よりですよね。
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投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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