「筆界未定」でできないこと

「筆界」とは、明治後期に施行された不動産登記法によって、人為的に区画された「公法」上の土地の境界です。

筆界は「合筆(隣接する複数の土地を一筆にまとめる)」「分筆(一筆の土地を複数に分割する)」しない限り変更されることはなく、土地を所有する当事者同士の話し合いで変更することもできません。

「所有権界」とは、「私法」上の境界として所有権の範囲を決める境界です。

筆界とは異なり、当事者同士の合意があれば変更できます。

この「筆界」「所有権界」は、本来であれば一致するのが当たり前ではありますが、なんらかの事情によって境界にズレが生じてしまう、筆界が不明瞭になってしまうことがあります。

筆界が不明瞭のケースだけではありません。

そもそも筆界が確定できず未定のケースもあります。

これを「筆界未定」といいます。

「筆界未定」になる原因として以下のケースが考えられます。

(1)隣人が境界の立ち合いを拒否

隣人が立会を拒否すると、筆界の確認ができないため、筆界未定地となってしまいます。

(2)隣人が行方不明。空き家となっている

同じく、筆界の確認ができないため、筆界未定地となってしまいます。

(1)売却できない

「筆界未定」ですと、買主が土地購入代金の融資を断られたり、売主が土地の一部を分筆して売ろうとしても、分筆自体ができないこともあります。

(2)相続時に分割できない

「筆界未定」ですと、相続時に土地を分筆して分けることができなくなります。

(3)合筆登記、地目変更登記、地積更正登記ができない。

(1)境界確定測量

改めて、境界確定測量により筆界を明らかにする方法です。

土地家屋調査士に依頼。期間の目安は約1か月です。

(2)筆界特定制度

筆界特定制度とは、筆界の専門的な知識を持つ筆界調査委員が、申請のあった土地を調査して意見書を提出した上で、正しいと認識できる筆界を特定する制度のことです。

裁判所で行われる境界確定訴訟と異なり、法務局で行われる手続きであることが筆界特定制度の特徴です。

この筆界特定制度はあくまでも「公法上の境界を特定する」ことを目的としています。

「私法上の境界」である所有権界を特定するためには利用できません。

依頼は土地家屋調査士。確定まで1年以上かかることもあります。

(3)境界画定訴訟

境界確定訴訟は裁判所が筆界を定めてくれる手続きです。

必ず「筆界」を定めてくるので、筆界未定地を解消することができます。

依頼は弁護士です。

原則筆界特定制度で特定された「筆界」が尊重されます。

確定まで2~3年かかることもあります。

※参考:「政府広報オンライン「筆界特定制度

※参考:「法務省HP「筆界特定制度

「筆界」が確定したら、法務局で「地図訂正申出」と「地積更正登記」をします。

法務局でそれを基に地積測量図を作成。

登記官により地積測量図の登録がされます。

依頼は土地家屋調査士です。

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