犬、猫の安楽死
1、安楽死
「安楽死」とは、人または動物に苦痛を与えずに死に至らせることをいいます。
「安楽死」には、大きく分けて2種類に分けることができます。
(1)積極的安楽死
致死性の薬物の投与により、死に至らせる行為
(2)消極的安楽死
延命治療をしないなどの行為で死に至らしめる行為
日本では人間については「積極的安楽死」は認められていません。
これに対し、「消極的安楽死」については、患者本人もしくは家族の明確な意志に基づく同意があれば認められることもあります。
犬、猫などの動物については、法律の規定はないものの、必ずしも積極的安楽死を含め、認められていないわけではありません。
犬、猫などが病気などにより苦しんでいて、回復する見込みがない場合、家族と獣医師の相談の上、安楽死を選択するか決めることになります。
2、動物病院によっては「安楽死についてのガイドライン」を設けていることも
動物病院によっては、家族からの相談に備え、安楽死について「ガイドライン」に近い抽象的なものながら、基準を設けていることもあります。
逆に、そういったガイドラインを設けていない上に、獣医師の「可能な限り延命治療を」の考えから、基本安楽死を断る動物病院もあります。
動物病院で診療してもらう際、予め安楽死について問い合わせたほうがかえって安心なのかもしれません。
3、まとめ
本当は「動物の安楽死」について、法律の規定があれば一番よいんでしょうけど、様々なケースがあり、全てを網羅するのは不可能に近い。
かといって、現在のように法律の規定を設けないとなると、どうしても「獣医師の方針」次第となってしまい、家族と獣医師の見解が食い違うケースがでてきてしまう。
一番最悪なのは家族が安楽死を望んでいるのに、獣医師が頑なに拒むこと、でしょう。
家族としたら苦しむペットの姿はとても見られたものじゃない。
家族が楽にしてあげたいと思ってるのに、願いが叶わない…。
人間の例ですが、安楽死が認められる要件として「東海大学安楽死事件」 (横浜地裁平成7年3月28日)で
①患者が絶えがたい肉体的苦痛に苦しんでいる
②患者の死が避けられず、その死期が迫っている
③患者の肉体的苦痛を除去、緩和するために方法を尽くし、他に代替する手段がない
④生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示
と、挙げられてます。
たとえこの基準の「患者」の部分を、①~③については「ペット」、④については「家族」に置き換え、国で「ガイドライン」を定めたとしても、獣医師によって安楽死を検討するタイミングが違ってくるのを完全に防ぐことはできない。
「家族が強い意志を持って安楽死を希望した場合、原則断りません」
最初から、HPなどにこのような言葉を掲載している動物病院を選ぶのも一つの方法なのかもしれませんね。
※参考:「Yahoo NEWS「苦しんだ意味はあったのか、幸せだったのか…抗がん剤治療中に死んだリンパ腫の愛犬。」
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