認知症になったら免許返納は必要?
1、認知症になったら免許返納は必要?
「認知症のおそれがある」と判定された方は
㋐認知症について臨時適性検査(専門医の診断)を受けるか
㋑診断書提出命令により医師の診断書を提出しなければならず
診断の結果によっては、聴聞等の手続を経た上で運転免許の取消し等がなされます
(警察庁HPより)
運転免許更新日の年齢が75歳以上の人は、3年に1度、「認知機能検査」受検の義務があります。
「認知機能検査」の採点の結果、「認知症のおそれがある」または「認知症のおそれがない」のいずれかの判定が出ます。
前者なら、上にも書いた通り㋐㋑の行動が必要となります。
後者なら、高齢者講習を受講後、免許更新することができます。
警察庁交通局の発表(令和4年度)によると、免許更新時の「認知機能検査」受検者のうち「認知症のおそれがある」と判定された人はおよそ4%(約65000人)でした。
つまり、96%の方は高齢者講習受講後、免許更新したことに…。
「認知症」といっても人によって程度は違いますが、必ずしも「認知症になったら免許返納」とは限らないようです。
2、高齢者の事故件数について
内閣府HPによると、①75歳以上及び②80歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は,
平成21年にはそれぞれ①422件,②180件
令和元年にはそれぞれ①401件,②224件となっている
別の統計(警察庁:令和4年度)によると、65歳以上の高齢ドライバーによる事故件数は、10年前と比べ65.9%にまで減少。
ただ、全体の事故件数が大きく減少しているのに対し、高齢ドライバーによる事故の割合は、16.3%から24.4%に増えている。
よく「最近高齢者の事故件数が増えている」と言いますが、増えているのは事故件数ではなく事故の割合。
アクセルとブレーキを踏み忘れる。認知症の状態で運転を、の故の事故なので、印象が強いことが一因でしょう。
運転免許更新日の年齢が75歳以上の人は、3年に1度、「認知機能検査」受検の義務がある。
①もっと年齢を低くすれば(例えば60歳以上とか)
②もっと受検の頻度を高めれば(例えば1年に1回とか)
③もっと検査を厳しくすれば
確実に認知症が原因の高齢者による事故が減るでしょう。
勿論警察による検査実施の煩雑化と相談の上。
2022年~2025年に75歳を迎える団塊世代は3500万人とも言われてるので、もしかしたら今のやり方が限界なのかも。高齢者による自主返納も期待できないので、いっそのこと「認知症の疑いがある」時点で強制返納にしちゃったらどうでしょう?。
「商売に支障が出る」等、ご意見が出そうですが、事故を起こしたら洒落にならないですよ。
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山梨県甲府市の行政書士です。
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