名義預金
1、名義預金
「名義預金」とは「口座の名義人」と「実際の所有者」が異なる預金のことです。
口座の名義人は孫や子供、配偶者等ではあるものの、実質的には名義人以外の人が管理している預金口座や、名義人以外の財産が原資となる預金は名義預金となります。
2、名義預金は相続税の課税対象になることがあります
相続税の課税対象となる相続財産は、財産の名義ではなく「真の所有者が誰であるか」で判定されます。
名義預金は、自分自身のお金を別人の名義で開設した口座で管理しているだけにすぎないので、口座の真の所有者が亡くなると、口座内にあるお金は相続財産となり相続税の課税対象となります。
◎具体例:
孫が名義人である預金口座に、祖父が毎年100万円ずつ、10年間にわたって計1,000万円を入金していたとしましょう。
生前贈与であれば、孫に贈与された財産の合計金額が年間110万円以内であれば、贈与税はかかりません。
また、祖父から贈与された財産は孫のものなので、祖父が亡くなったとき、孫が相続人にならないなら、生前贈与された1000万円は相続税の課税対象にもなりません。
しかし、この預金口座が「名義預金」とみなされると、祖父が亡くなって相続が発生したときに1000万円すべてが相続税の課税対象になります。
3、「名義預金」とみなされる場合
①亡くなった方が、実質的な預金者であった
②亡くなった方が、通帳、印鑑を管理していた
③口座の名義人が、口座の存在を知らない
④口座を開設した金融機関、届出印が不自然
「口座の名義人が孫なのに、届出印が祖父や祖母のものである」というように、口座の名義人と金融機関の届出印の所有者が異なる場合、税務署から名義預金と判断される可能性があります。
また、口座の名義人である人が住んでいる場所とは異なるエリアにある地方銀行や信用金庫等で、口座が開設されていると、名義預金と判断されます。
⑤生前贈与が成立していない
財産を渡す側と受け取る側の意思が合致しておらず、生前贈与が成立していない場合も、名義預金とみなされます。
4、「名義預金」とみなされないようにするには
①名義人にカードや通帳を私、口座内のお金を自由に使えるようにする
②贈与契約書を作成する
③生前贈与があったことを証明するために、銀行振込をして記録を残す
投稿者プロフィール
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