「身元引受人」と「成年後見人」の違い
1、はじめに
「サービス付き高齢者住宅」「有料老人ホーム」等、高齢者施設に入所する際、必ずといってよいほど「身元引受人」を立てて下さい」と言われます。
しかし、現在の高齢化社会、少子化社会の下では「身元引き受け」をお願いできる親族や知人がいない場合がある。
このままでは入所できないんでしょうか?
それとも成年後見人がいれば大丈夫なんでしょうか?
2、身元引受人
①法律上の規定はない。
②入居希望者が自ら選定する。
③法律上、財産管理権はない。
④入居契約において緊急時の対応や死亡後の残置物撤去義務が定められている。
等
3、成年後見人
「2、身元引受人」と番号対応
①民法において定められた法律上の制度である。
②(後見開始の審判の申立てに基づき)家庭裁判所が選任を行う。
③法律上の財産管理権が与えられ、「法定代理人」となる。
④死亡と同時に後見は終了。死亡後の諸手続きはできない。
4、成年後見人は身元引受人になれる?
成年後見人は、身元引受人(成年被後見人の連帯債務者又は連帯保証人)にはなれません。
なぜなら、成年後見人は、入居希望者(成年被後見人)の財産を管理する代理権を有する「法定代理人」であるところ、本人と一緒に債務を負担するとすれば、 利益が相反してしまうことになるから。
言い換えると、端的に「職務権限外」ともいえます。
どうしても「身元引受人」が見つからない場合は、
①保証会社に依頼する
②元気な内に「任意後見契約」を締結。任意後見人が身元保証人になっても良いかどうか施設側と交渉する
③「身元引受人」が不要の施設を探してみる
等を試みてみましょう。
投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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