認知症の親が高額商品の契約をした。取り消すことができる?
1、クーリングオフを利用する
「クーリングオフ制度」とは、契約締結後、その消費者が不要と判断した場合、一定期間内に無条件で契約申込みの解除ができる制度のことをいいます。
訪問販売や電話販売などに設けられてます。
クーリングオフしたい場合、クーリングオフ期間内に書面やメールなどの電磁的記録で販売業者に通知します。
クーリングオフした証拠を残すためには、特定記録郵便や簡易書留など記録の残る方法で郵送した方がよいです。
2、意思能力のないことを理由に無効を主張する
「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」(民法第3条の2)。
意思能力がないことを理由に無効を主張するには「証拠」が必要です。
医師の診断書などを添えて、相手の販売業者に伝えましょう。
3、消費者契約法違反により、無効または取消しを主張する
「消費者契約法」とは、消費者と販売業者の情報や交渉力の格差により、消費者が困惑・誤認した際、消費者の利益が損なわれないよう保護するための法律です。
消費者契約法には、
①販売事業者により不当な勧誘を受けたときの契約の取り消し
例:重要事項について説明が不十分。もしくは事実と違う
②契約書面に不当な契約条項があるときの契約の無効
例:「消費者はいかなる理由があっても契約を解除できない」条項がある
が定められています。
4、成年後見制度
認知症など判断能力の低下した高齢者が、契約トラブルに巻き込まれるリスクを避けるために、成年後見制度を利用する方法もあります。
成年後見人は、本人の行った契約を取り消すことができます。
但し、食料品・日用品の買い物は取消すことが出来ません。
また、後見人は、本人のためであっても、本人の居住用不動産を売却など、高価な財産に関する契約を締結する際には、事前に家庭裁判所の許可を得る必要があります。
(1)法定後見制度
「法定後見制度」とは、認知症などで判断能力が低下したときに、家庭裁判所に成年後見人の申し立てをすることにより成年後見の開始が決められる制度です。
法定後見制度には、被後見人の判断能力の程度により、
①成年後見
②補佐
③補助
の3つの種類があります。
(2)任意後見制度
「任意後見契約」とは、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、予め「任意後見人」を選任することを内容とする契約です。
任意後見人は、財産の管理や身上監護を代理します。
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投稿者プロフィール

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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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