成年後見人の財産管理業務:実家を売却する
1、成年後見人の業務:「財産の管理」「身上監護」
成年後見人は、財産の管理や身上監護を代理します。
①財産の管理
成年後見人が契約の締結等を代理することで、詐欺や悪徳商法等から本人の財産を守ることができる。
②身上監護
介護施設への入居契約、病院での入院手続き等も、成年後見人が代理することで締結することが可能です。
2、実家を売却するには
例えば、「親や扶養義務者に預貯金がなく、実家を売却しないと、親が介護を受けたり、入院することができなくなる」など、「止むを得ない事情」があれば、成年後見人は、家庭裁判所の許可を得て、実家を売却することができます。
◎手続き
①家庭裁判所に「居住用不動産処分の許可の申立」を行う
↓
②買主と売買契約を締結。
↓
③物件の引渡し、売却代金を受け取る
3、実家が売れないと…
上でも書いた通り、家庭裁判所によって選任された成年後見人は、判断能力を失った親の財産を「維持」「管理」することが役割です。
それ故に、実家など重要な財産の売却については、家庭裁判所の許可が必要となります。
しかし、そこでジレンマが…。
都市部ならともかく、県庁所在地でない田舎ですと「中々売れない」不動産が存在します。
家庭裁判所の許可を得て、ある程度の不動産評価額(例:固定資産税評価額)で売却しようとしても、買い手が見つからない…。
そこで、不動産評価額を下回る価格で売却を試みたら、無事売れました。
本人の介護、入院費に使うことができました。
でも、売却額が下回った分だけ「本人の資産を減らした」「ひいては、管理に問題がある」と評価されることになってしまうのか?。
仮に、実家を売却できなかったら、介護、入院費を捻出できず、「身上監護」の点で支障がでてきます。
それだけじゃない。遠い将来(もっとも、ご本人は既に亡くなってるかも、ですが…)、家屋が崩壊。隣近所から損害賠償を請求されるかもしれない。
判断能力がある内に「家族信託契約」を締結すれば、このジレンマは解消されますが、判断能力を失ってからでは遅い
この辺は、家庭裁判所への「居住用不動産処分の許可の申立」に対する「許可」の時点で、裁判所に柔軟な対応をして戴くしかないでしょうね。
それが、ひいては「空き家問題」の解決にも繋がるので。
※参考:「裁判所HP「居住用不動産処分の許可の申立てについて」
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投稿者プロフィール

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