不動産の生前贈与は相続税対策になる?

(1)希望する相手に確実に渡すことができる

相続で遺言書がないと「遺産分割協議」により遺産の分け方を決めることになりますが、不動産は預貯金と異なり、物理的に分けることができないので、揉める原因になります。

相続人間の平等を追及すると「共有」になりますが、例えば売却を検討する際、全員の同意を要するなど窮屈なことに。

生前贈与なら以上のディメリットを避けることができます。

(2)相続税対策になる

例えば、現在3000万円の不動産が、数十年後の相続時には8000万円になるなど、大幅な値上がりが見込めるなら、金額の安いうちに贈与した方が税金が安くなる可能性があります。

ただし、相続時に取得した土地の評価額を最大8割下げられる「小規模宅地等の特例」が適用できる場合、贈与では適用されません。

適用できるなら、相続まで待った方が税金が安くなる可能性があります。

(3)認知症対策になる

認知症により、不動産の所有者の判断能力が低下すると、介護費用などを捻出するための土地の売却、相続トラブル防止のための遺言書の作成などができなくなってしまう場合があります。

そこで、十分な判断能力があるうちに、生前贈与するのも一つの方法です。

(1)贈与税

暦年贈与の場合、基礎控除である110万円を超えた金額に対して、贈与税がかかります。

◎贈与税の税率(特例税率:直系尊属(祖父母や父母など)から贈与された場合)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1000万円以下30%90万円
1500万円以下40%190万円
3000万円以下45%265万円
4500万円以下50%415万円
4500万円超55%640万円

例えば、父親から800万円相当の暦年贈与を受けた場合、贈与税は(800万円-110万円)×30%-90万円=117万円となります。

(2)不動産取得税

①土地の不動産所得税:固定資産税評価額×3%

②建物の不動産取得税:固定資産税評価額×3%

(3)登録免許税

不動産を贈与した場合:固定資産税評価額×2%

(1)贈与契約書の作成

(2)名義変更の登記

◎必要書類

①登記申請書

②登記識別情報又は登記済証(いわゆる「権利書」)

③贈与する土地の固定資産評価証明書

④登記原因証明情報:登記の原因があったことを証明する書類。贈与の場合、贈与契約書など

⑤贈与者の印鑑証明書

⑥受贈者の住民票の写し

※参考:「法務局HP「不動産登記の申請書様式について

(1)特別受益とみなされる場合がある。

「特別受益」とは、亡くなった方からの遺贈または贈与によって、相続人が得た特別の利益をいいます(民法第903条1項)。

特別受益が存在する場合、各法定相続人の相続分を計算するに当たって「持ち戻し計算」が行われます。

例えば、長男が父親から3000万円の不動産を贈与で受けとり、その後、その父親が亡くなり、相続財産が現金6000万円が残されたとします。相続人は長男と次男です。

特別受益がなかったと仮定すると、相続分は以下のとおりです。
長男:3000万円
次男:3000万円

持ち戻し計算では、相続財産の6000万円に、特別受益の3000万円を加算した「9000万円」を、法定相続分に応じて分配します。


長男:4500万円(特別受益の3000万円を含む)
次男:4500万円

長男はすでに特別受益の3000万円を得ているので、実際に相続できるのは、

4500万円ー3000万円=1500万円のみです。

したがって、特別受益の「持ち戻し計算」により、相続分は以下の通りになります。
長男:1500万円
次男:4500万円

(2)納税資金を用意する必要がある

贈与税は物納が認められていません。現金の支払いとなります。


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