「軽貨物運送事業」を開業するには
1、軽貨物運送
軽貨物運送業は、貨物自動車運送事業法上「貨物軽自動車運送事業」といいます。
一般貨物自動車運送事業は国土交通大臣の「許可」が必要なのに対し「貨物軽自動車運送事業」は国土交通大臣に「届出」を行い、クルマに黒ナンバーを付けることによって営業することができます。
また、一般貨物自動車運送事業の許可には、5台以上のトラックなどが必要で、他にまとまった金額の自己資金も要求される等、高いハードルがありますが、「貨物軽自動車運送事業」の場合、軽バン等1台から始められますし、必要資金のハードルもありません。
2、届出の要件
(1)自動車
①軽(普通):軽貨物乗用自動車で霊柩及び二輪以外の自動車
②軽(霊柩):軽貨物自動車で霊柩自動車
③二輪:二輪バイクで125CCを超える排気量のもの
①~③のいずれかの自動車が1台あれば届出可能です。
(2)自動車倉庫
下の要件を満たす必要があります。
①原則として営業所に併設されていること。併設できない場合は営業所からの距離が2㎞を超えないこと。
②計画する事業用自動車すべてを収容できるものであること。
③使用権原を有すること
④農地法、都市計画法、建築基準法等に抵触しないこと
例:農地を倉庫にできない。屋根付きの車庫を設けるには、都市計画法と建築基準法の規制を受けることがある
(3)休憩睡眠施設
(4)運送約款
①荷主の正当な利益を害するおそれがないものであること
②国土交通大臣が定めて公示した標準約款を使用する場合、届出書の記載に当たってその旨を記載することにより、約款の添付は不要とする
(5)自動車の構造
軽貨物自動車は、乗車定員2人、最大積載量350kgが標準
乗用車を用いる場合
積載可能重量=(乗車定員ー乗車人数)×55kg
軽乗用車は通常乗車定員4名なので、運転者のみ乗車している場合、55kg×3=165kgが積載可能。
(6)管理体制
運行管理者:個人で1両で行う場合本人等。法人の場合会社で選任した責任者。
また、1つの営業所に対象車両を10台以上配置して事業を行う場合、資格を持った整備管理者を選任しなければなりません。
(7)損害賠償能力
自動車損害賠償保障法等に基づく責任保険または責任共済に加入するほか、事業用の一般自動車損害保険(任意保険)の締結等、十分な損害賠償能力を有するものであること。
(8)運賃料金の設定
3、届出手続きに必要な書類
①貨物軽自動車運送事業経営届出書
②運賃料金設定(変更)届出書
③事業用自動車連絡書
④車検証の写し
※参考:「山梨運輸支局HP」
4、黒ナンバーへの変更
自家用の軽自動車は、黄色地に黒文字のナンバーですが、事業用の軽自動車は黒地に黄色文字のいわゆる「黒ナンバー」です。
使用する自動車の車検証を更新。黒ナンバーを取り付ければ、軽貨物運送業の開業が可能です。
◎軽自動車検査協会での必要書類
①運輸支局で「経由印」を受けた事業用自動車等連絡書
②車検証
③ナンバープレート手数料
④いままで付いていた黄色ナンバープレート(前後)
軽自動車の場合、ナンバープレートに封印が必要ないので、車両を持ち込むことなく、黄色ナンバープレートを外し、車検証(原本)を持参して黒ナンバーと新しい車検証の交付を受け、車庫に戻ってからナンバーを取り付けることも可能です。
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