遺言書で指定した相続人が先に亡くなったら?:予備的遺言

事例:
長女は結婚して家を出てます。

父親は「長男に家を継いでほしい」と思い、長男へ自宅を相続させる遺言をしました。

しかし長男が父親より先に死亡してしまいました。

この場合、「遺言書によって長男の子供の孫が相続できるのか(代襲相続)?、それとも遺言書は無効になって長女が相続するのか?」

「代襲相続」とは、相続人が被相続人より先に死亡した場合、相続人の子供が代わって相続することです。

例えば長男が父親より先に死亡した場合、父親の遺産は長男の子供(孫)が代襲相続します。
代襲相続が法定相続のケースで適用されることは、民法第887条2項で規定されていますが、遺言書の場合は?。

最高裁は「遺言は死亡時に効力が発生するので、死亡時に受取人が存在している必要がある」とし、遺言による代襲相続を認めませんでした(最高裁平成23年2月22日)

上の例ですと長女が相続することになります。

以下、判決要旨。

「相続させる」旨の遺言をした遺言者は、通常、遺言時における特定の推定相続人に当該遺産を取得させる意思を有するにとどまるものと解される。

したがって、「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情および遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはない。

(1)予備的遺言

遺言書に「〇〇(例:不動産)は長男に相続させる。ただし死亡時に長男が亡くなっていた場合、長男の子である孫に相続させる」と記載

(2)遺贈孫に直接遺贈する。

但し、

①孫は相続人ではないので「相続税の2割加算」に注意。

②他の相続人の遺留分にも注意

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