息子の嫁に遺産をあげるためには

「特別寄与料」とは、例えば、息子の妻が父を介護した場合、その貢献に見合った金銭を請求できる制度です。

この制度により、相続人ではない者(息子の嫁)も遺産をもらえる可能性が出てきたものの、「寄与分」と同様、認められるためには

①遺産分割協議などでの相続人に対する交渉

②交渉で解決しなければ、家庭裁判所に「特別の寄与に関する処分調停」を申し立てる

と、ハードルが高いです。

なので、確実に息子の嫁に遺産をあげるには、他の方法を検討する必要があります。

遺言を作成。たとえば「長男の嫁甲府桃子に〇〇を遺贈する」旨を記しておく方法があります。

ただし、他の相続人の「遺留分」を侵害しないように。

遺贈によって遺留分が侵害された場合、相続人は遺贈を受けた人に対し「遺留分侵害額請求」を行うことができます。

養子縁組をすることにより、法律上息子の嫁と親子関係になります。

結果、法定相続人のひとりとなるので、法定相続分で分ければ、他の実子と同等に遺産が渡るようになります。

ただし、養子縁組すると、他の息子、娘は相続分が少なくなるので、気分的に面白くないでしょう。

たとえ遺言書を残したとしても、火種が残る可能性があります。

生命保険金の受取人を息子の嫁にしておくと、生命保険は受取人固有の財産であり、遺産分割協議の対象とはなりません。確実に遺産を渡すことができます。


ただし、保険会社によっては受取人と認められない場合もあります。

また、息子の嫁は法定相続人ではないので、保険金非課税枠(500万円×法定相続人の人数)が適用されません

「年間110万円以内」だと贈与税がかかりません。

また、相続人ではない息子の嫁への贈与は、死亡前7年以内の相続財産に加算されません(「生前贈与加算」なし)。

ただし、他の方法、遺言書で遺贈を受けたり、養子縁組して相続により財産を取得すれば、「生前贈与加算」の対象になります。

~関連記事~

[遺言書]長男の嫁に財産を渡したい場合

第○条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を長男の妻、甲府桃子(平成46年4月6日生)に遺贈する。

特別寄与料

かつて、遺言がない限り、遺産をもらえる権利は「相続人」にしかありませんでした。 しかし、不公平が生じる場合があったので「特別寄与料」が新設されました。

「生前贈与加算」3年→7年に

2023年の税制改正により、暦年課税方式で贈与を受けた財産を相続財産に加算する期間が「相続開始前3年間」から「7年間」に延長されます。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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