自筆証書遺言と自筆証書遺言保管制度

１、自筆証書遺言のメリット、ディメリット

◎メリット

①手軽に作成、書き直しも容易

②費用がかからない

◎ディメリット

①内容より前に形式要件で無効となる可能性がある

②偽造、紛失、隠匿のリスクがある

③家庭裁判所の検認が必要

２、自筆証書遺言保管制度のメリット、ディメリット

◎メリット

①法務局で形式的なチェックを受けることができる

②偽造、紛失、隠匿のリスクがない

③死亡時に通知されるので発見されないリスクはない

④家庭裁判所の検認が必要ない

⑤費用が比較的安価（３９００円）

◎ディメリット

①内容について確認してもらえない

②本人が法務局に行く必要がある。代理人不可

③遺言書の細かい様式が決められている

自筆証書遺言のディメリットはほぼカバーできますが、依然内容の問題が残る。せっかく遺言書を残したのに、遺留分を無視したもの等、相続発生時に問題となる内容である可能性もゼロではない。

◎参考：法務省ＨＰ（自筆証書遺言保管制度）

３、確実性を期すには公正証書遺言がおススメ

「公正証書遺言」とは、公証人に作成してもらう遺言書のことです。

公証人が関与して作成する遺言書なので、上の自筆証書遺言保管制度のメリットの他、内容の確認も期待できます。

ただ、ディメリットとして…

①証人を２名用意しなければならない。

用意できない場合、公証役場で用意してくれますが、１人あたり６０００円ほどかかる。

②手数料がかかる全体の遺産が１億円以下の場合は、下記の表によって算出された手数料に１万１０００円加算されます。

例えば、遺産総額が４０００万円なら「３０００万円を超え５０００万円以下」なので、２万９０００円＋１万１０００円＝４万円です。

※注：他にも細かい計算があるので、あくまでも「目安」

確かに費用はかかりますが、「確実性」なら「公正証書遺言」が群を抜いている。

公証人との相談では専門家に立ち会ってもらえば、手間も減りますし、何かと安心。

遺言書の中で「遺言執行者」を指定（専門家にそのまま依頼）しておけば、相続後も安心。

遺言書の作成を検討している方は、専門家に相談の上、是非「公正証書遺言」を。

◎参考：日本公証人連合会ＨＰ

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