老老相続

「老老相続」とは、被相続人である高齢の親とその相続人である子供のいずれもすでに高齢になっている相続のことをいいます。

老老相続の背景には、平均年齢が伸びた結果、相続の時点で子供も高齢となっている、があります。

老老相続と並行して、高齢の親を高齢の子供が介護する「老老介護」も増加しています。

(1)相続人が認知症や要介護状態となっているリスク

相続人が高齢な故に認知症や要介護状態のリスクが高まるのは避けられません。

相続人の中にこのような者がいると、遺産分割協議に参加することができず、話し合いが滞ってしまいます。

成年後見制度の利用が検討されますが、家庭裁判所への申立てが必要で、時間や手間がかかります。

後見人が選任された後、たとえ相続手続きを進めることができたとしても、自由な財産処分が制限され、「法定相続分による財産分け」に向かう方向性が必ずしも公平な財産分けにならないなど、上手くいかない点で出てきます。

(2)手続き、意思決定が困難に

相続人の中に高齢者が多い場合、体力的、理解力の問題から、金融機関、法務局などの相続手続きが大きな負担になります。

その結果、遺産分割協議が長期化することがあります。

(3)相続後すぐに二次相続が発生するリスク

相続人が高齢者が多いゆえに、一次相続が終わって間もなく、相続人である子が亡くなり、二次相続が発生するリスクがあります。

その都度手続きが必要となり、遺族の負担がさらに大きくなります。

(1)相続財産の調査をしておく

相続財産には

①預貯金、不動産、株券などのプラスの財産

②借金などのマイナスの財産

がありますが、両方調査します。

銀行名、口座番号、不動産の所在地などを一覧にまとめておけば、相続後の相続人の負担がかなり軽減されます。

(2)遺言書の作成

生前遺言書を作成しておけば、相続人全員による遺産分割協議は不要となります。

それも「公正証書遺言」をおススメします。

「公正証書遺言」は、遺言書の中でも、「公正証書」で作成される遺言書です。

公正証書遺言は、遺言者が相続などについての自分の意思を「公証人」に口授。

証人2名の立ち合いの下、法的な効力を備えた公的な文書(公正証書)として作成してもらったものです。

証明性、有効性が高く、かつ法的な執行力をも備えてます。

また、「公正証書遺言」で「遺言執行者指定」だと、金融機関の手続きで必要なものは

①亡くなった方の戸籍謄本

②遺言執行者の印鑑登録証明書

③銀行所定「相続に関する依頼書」

④遺言書

⑤亡くなった方の通帳、キャッシュカード等

で足ります。

(4)任意後見制度

「任意後見契約」とは、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、予め「任意後見人」を選任することを内容とする契約のことをいいます。

任意後見人は、財産の管理や身上監護を代理します。

①財産の管理

将来本人の判断能力が低下しても、任意後見人が契約の締結等を代理することで、詐欺や悪徳商法等から本人の財産を守ることができる。

②身上監護

介護施設への入居契約、病院での入院手続き等も、任意後見人が代理することでスムーズに締結することが可能です。

法定後見制度との大きな違いは、後見人を本人が選ぶことができる、です。

(5)財産管理委任契約

「財産管理委任契約」とは本人の判断能力のある間の財産管理に関して委任する契約をいいます。

任意後見人が実際に後見事務を開始できるのは、本人の判断能力が低下して任意後見監督人が選任されてからです。。

なので、契約締結後、実際に判断能力が低下するまでの期間は、空白期間となります。

そこで、任意後見契約と組み合わせて「財産管理委任契約」を締結することがあります。

つまり、契約の締結後すぐに「財産管理契約」が発効。

その後本人の判断能力が低下して任意後見監督人が選任された時点で任意後見契約へと移行する形態。
このような契約形態を「移行型」といいます。

(6)家族信託

「家族信託」は、所有権を「財産権(財産から利益を受ける権利)」と「財産を管理運用処分できる権利」とに分けて、後者だけを子供等に渡すことができる契約です。

これにより、所有者である親が認知症になったり、介護が必要になって自分で財産を管理できなくなったとしても、子供等が親のために、信託された財産の管理、運用、処分をすることができるようになります。

「家族信託」の登場人物ですが「委託者」「受託者」「受益者」です

・委託者:財産の元々の所有者。受託者に財産を信託する人

・受託者:委託者から財産の管理運用処分を任される人

・受益者:財産から利益を受ける人

「家族信託」の仕組みは、委託者が財産の管理を受託者に任せ、その財産を受託者が管理、その財産から発生した利益を受益者が得る、です。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

山梨県甲府市の行政書士です。
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