おしどり贈与

「おしどり贈与」(贈与税の配偶者控除)とは、配偶者へ居住用不動産(自宅)を贈与した場合、最高2000万円。基礎控除110万円とあわせると最高2110万円)まで贈与税が非課税になる特例のことをいいます。

◎おしどり贈与の適用要件

①配偶者との婚姻期間が20年以上あること

②贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた家屋などに居住し、その後も引き続き居住する見込みであること

おしどり贈与を適用して贈与税がゼロでも、贈与税の申告手続きが必要です。

また、財産を贈与された年に贈与者が亡くなった場合、通常は贈与された財産は相続税の課税対象になりますが、おしどり贈与が適用できる場合は、その居住用財産は相続税の課税対象にはなりません。

(1)相続税を少なくすることができる

(2)相続開始前7年以内の贈与財産の加算が適用されない

(3)自宅の売却時に夫婦2人で各3000万円、合計6000万円の特別控除が使える

例えば、自宅の土地・家屋のうち一部の持分を、おしどり贈与により配偶者に贈与すると、自宅は夫婦の共有となります。

将来この自宅を売却したら「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」を適用することができますが、この特例は「所有者ごと」に適用するものなので、合計6000万円までの控除が可能です。

(4)配偶者が住まいを確保できる

配偶者居住権と同じ役割。

(1)「相続税の配偶者税額軽減」でも代用可能

「相続税の配偶者税額軽減(配偶者控除)」とは、配偶者が相続した財産のうち、1億6000万円または法定相続分に相当する額のどちらか多い方までは相続税がかからないという制度のことをいいます。

生前、おしどり贈与を適用しなくても、この制度を適用すれば、相続税がかからずに自宅を相続させることができます。

さらに、自宅の土地については最高8割引きとなる「小規模宅地等の特例」の制度もあるので、この制度を併用して使うことにより、相続税がかからず配偶者に自宅を相続させる範囲が広がります。

(2) 贈与された配偶者が先に亡くなると、相続税がかかってしまう可能性もある

(3)登録免許税、不動産取得税などがかかる

相続の場合、登録免許税は固定資産税評価額×0.4%、不動産取得税はかかりません。

これに対し、贈与の場合、登録免許税は固定資産税評価額×2.0%、不動産取得税は3%(一定の要件を満たすと2.0%)となります。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
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