帰来時弁済型の遺産分割
1、帰来時弁済型の遺産分割
「帰来時弁済型の遺産分割」とは、条件付きの代償分割のことをいいます。
遺産分割で不在者が取得するのは、相続財産ではなく「代償金」になります。
代償金を支払う時期は不在者の帰来時、所在が判明した時点です。
2、「帰来時弁済型の遺産分割」の手続き
「帰来時弁済型の遺産分割」を行うには、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任の申し立てをする際、「遺産分割協議案」も一緒に提出する必要があります。
(1)不在者の取得する代償金の金額
「不在者の法定相続分」が望ましいです。
法定相続分以下ですと家庭裁判所に認められない可能性があります。
(2)代償金を支払う相続人
3、「帰来時弁済型の遺産分割」のメリット、ディメリット
(1)メリット
例えば、不在者が遺産分割で100万円取得しても不在者財産管理人に対する報酬の支払いで減ってしまいます。
しかし、「帰来自弁済型」ですと、取得するのは「代償金の請求権」なので、不在者財産管理人の報酬に使うことはできません。
つまり、相続により不在者の取得した財産が減りません。
(2)ディメリット
不在者がいつ帰来するか分からない為、いつまでも代償金の支払義務が残ってしまいます。
4、「帰来時弁済型」の遺産分割協議書の記載例
第〇条 相続人甲府一郎は、不在者甲府次郎に対して、代償金として100万円を支払う義務を負う。
ただし、その履行期は、所在の判明した不在者甲府次郎の代償金請求から相当期間経過後とする。
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