任意後見契約を発動しないと…
1、任意後見契約
「任意後見契約」とは、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、予め「任意後見人」を選任することを内容とする契約です。
任意後見人は、財産の管理や身上監護を代理します。
①財産の管理
将来本人の判断能力が低下しても、任意後見人が契約の締結等を代理することで、詐欺や悪徳商法等から本人の財産を守ることができる。
②身上監護
介護施設への入居契約、病院での入院手続き等も、任意後見人が代理することでスムーズに締結することが可能です。
2、任意後見契約を利用する手続き
(1)公正証書による任意後見契約の締結
「任意後見契約」は公正証書によって締結する必要があります。
公証役場に連絡、案文を送付して打ち合わせ後、公証人立会いの下で任意後見契約を締結
◎必要書類(本人)
- 印鑑登録証明書+実印
- 戸籍全部事項証明書
- 住民票
◎必要書類(任意後見人となる人)
- 印鑑登録証明書+実印
- 住民票
(2)家庭裁判所による任意後見監督人の選任の申し立て
家庭裁判所によって任意後見監督人が選任された時点から、任意後見が開始します。
◎必要書類(主要なもののみ)
- 任意後見監督人選任申立書
- 任意後見申立て事情説明書
- 親族関係図
- 財産目録、相続財産目録、収支予定表
- 任意後見契約公正証書写し
- 成年後見登記事項証明書
任意後見制度の裁判所での手続き、概要についてはこちら。
3、判断能力の低下と発動が必要
このように、任意後見契約の発動には、医師の診断書により本人の判断能力の低下を確認したうえで、家庭裁判所に対し「任意後見監督人」の選任を求める必要があります。
つまり、本人の判断能力の低下と任意後見監督人の選任の申し立てによる「任意後見契約」の発動が必要です。
発動しない限り、本人に代わって不動産を売却したり施設入所契約を締結することはできません。
いつまでも発動しないと、本人は判断能力が低下。自身で行動するのに支障が生じる。任意後見契約を締結した意味がなくなります。
そんなことにならない為にも、任意後見契約の締結は弁護士、司法書士、行政書士など専門家に依頼を。
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