内引きは何罪?
1、内引き
「内引き」とは、コンビニやスーパー等の従業員が、店内の商品を持ち出したり、レジの現金を持ち出したりして着服する行為をいいます。
内引きは、他人の占有する財物を窃取したものといえますので、窃盗罪(刑法第235条。法定刑:10年以下の懲役または50万円以下の罰金)が成立します。
また、店長など商品やお金を管理する権限のある者によって着服が行われた場合、業務によって自分が占有する他人の財物を自分のものにしてしまったと言えるので、業務上横領罪(刑法第253条。法定刑:10年以下の懲役)
2、内引きがバレたら
(1)警察に通報、被害届の提出
内引きの被害額が大きい場合には、被害を受けた会社が警察に被害届を提出することがあります。
(2)損害賠償請求
内引きによって、会社には損害が生じますので、損賠賠償(民法第709条)を請求することになります。
(3)懲戒解雇
内引きは、犯罪行為なので、内引きをした従業員は、懲戒処分の対象になります。
3、窃盗罪で前科持ちにならないためには
令和4年版の犯罪白書によると、
㋐窃盗事件の被疑者として警察や検察などの取り調べを受けた人数は76587人
㋑逮捕されなかった人員は51649人
㋒逮捕された割合を示す「身柄率」は30.3%
そして、起訴率は約40%。
日本の刑事裁判においては、起訴された者が有罪となり割合は99%以上です。
窃盗事件など刑事事件で「前科」が付くのは、有罪判決が確定したときです。
窃盗罪の場合、略式起訴により罰金刑が科せられることがありますが、その場合も「前科」はつきます。
前科がつけば、社会生活における様々な場面で不利益を受けることになります。
なので、前科をつけないためには、不起訴処分になることが重要になります。
不起訴処分を獲得する為には、被害額を弁償する等して、加害者と示談、被害届を出されない。出した被害届を取り下げてもらうのが大切です。
窃盗初犯で、かつ被害額も少なく、被害者とすでに和解をしているような場合であれば、起訴されず、捜査のみで事件が終了する可能性が高いです。
他方、窃盗の初犯だったとしても、被害額が大きく、犯罪の態様が悪質なら、起訴処分になる可能性が十分にあるといえます。
きちんと反省した上で、ですが、弁護士に相談を。
投稿者プロフィール
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