相次相続控除

相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)とは、10年以内に相次相続が発生した場合に相続税の負担が過重になるのを軽減する特例のことをいいます。

短期間に続けて相続が発生すると同一の財産に二重に相続税が課税されることになるため、相続税の負担を軽くするために、前回の相続時に課税された相続税の一定部分を今回の相続の相続税から控除するものです。

例えば、祖父から財産を相続した父が祖父の死後10年以内に死亡した場合に、父が祖父の相続で課税された相続税の一定部分が、子供が父の相続により納付する相続税から控除されます。

※参考:「国税庁HP「NO.4168 相次相続控除

相次相続(そうじそうぞく)と数次相続の違いは「二次相続が起こったタイミング」です。

㋐数次相続:

相続人が第1の相続について承認するという選択をしたものの、具体的な遺産分割を行う前に亡くなってしまった場合

㋑相次相続:

一次相続の相続税申告・納付後に二次相続が発生した場合

(1)被相続人(亡くなった方)の相続人

一次相続において被相続人の相続人が財産を取得。その相続人が被相続人となる二次相続において、財産を取得するのが相続人であること。

(2)一次相続から10年以内に二次相続が発生

(3)二次相続の被相続人が一次相続で財産を取得している

(4)二次相続の被相続人が一次相続で相続税を納税

二次相続における被相続人が一次相続において相続財産を取得していても、相続税を納税していなければ、二次相続における相続人は相次相続控除を適用することはできません。

相次相続控除の控除額は、一次相続で課税された相続税額を元に、1年につき10%減額した金額を、二次相続に係る相続税額から控除をします。

◎控除額の計算式

A×C÷(BーA)×D÷C×(10ーE)÷10

A:一次相続の相続税額

B:一次相続の純資産価額

二次相続の被相続人が、一次相続で取得した相続財産の価額。

C:二次相続の純資産総額

二次相続で相続人や受遺者が取得した、被相続人の相続財産の総額。

D:二次相続の純資産価額

相次相続控除を適用する二次相続の相続人が取得した、相続財産の価額

E:一次相続から二次相続までの期間

1年未満の期間は切り捨て。

◎具体例

祖父が2022年5月5日に死亡。祖父の相続で相続税を納付していた父が2024年10月10日に死亡

A(一次相続の相続税額):2千万円

B(一次相続の純資産価額):1億2千万円

C(二次相続の純資産総額):8千万円

D(二次相続の純資産価額):6千万円

E(一次相続から二次相続までの期間):2年5カ月→2年

A×C÷(BーA)×D÷C×(10ーE)÷10

=2千万円×8千万円÷(1億2千万円ー2千万円)×6千万円÷8千万円×(10-2)÷10

=960万円

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二次相続まで考慮した相続税対策

一次相続で「配偶者に対する税額軽減」を用いて、相続税額を「ゼロ円」にしたとしても、かえって、二次相続で相続税額が高くなるケースがあります。

数次相続

数次相続とは、相続人が第1の相続について承認するという選択をしたものの、具体的な遺産分割を行う前に亡くなってしまった場合をいいます。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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