代償分割と譲渡所得税、贈与税
1、代償分割により譲渡所得税が発生するケース
「代償分割」とは、相続人の一人が財産を取得。他の相続人には代償金を支払うことによって清算する遺産分割の方法をいいます。
代償金の金額は、民法が定める「法定相続分」に応じて計算します。
例:相続人2名。6000万円の不動産があった場合。兄が不動産を取得して弟に3000万円の代償金を支払う方法です。
代償分割の代償金は必ずしも現金である必要はありません。
不動産で代償することができます。
ただし、その不動産の時価が取得費よりも高い場合、譲渡所得が発生します。
◎事例:
㋐相続人:長男、次男
㋑代償分割の対象財産:土地(相続税評価額9000万円、時価1億2000万円)
㋒代償金の支払い方法:長男が土地を相続する代わりに、次男へ長男保有のマンション(取得費5000万円、時価6000万円、取得後9年経過)を代償する。
譲渡所得の金額=時価ー取得費=6000万円ー5000万円=1000万円
長男が次男に代償するマンションの時価が取得費よりも上回っているため、長男に譲渡所得が発生します。
所得税の額=譲渡所得1000万円×税率20.315%=2031500円
※参考:「国税庁HP「取得費となるもの」
2、贈与税が発生することも
代償分割を利用して代償金を受け取った場合、相続税の課税対象にはなりますが、「遺産分割協議書」に「代償分割により代償金を支払う」という趣旨の記載をすれば原則贈与税を課されることはありません。
記載がないと、贈与とみなされて贈与税がかかる可能性があります。
また、相続した財産より代償金が多い場合、贈与と認定され、贈与税が課税されることもあります。
3、不動産取得税
「相続」により不動産を取得する場合、不動産取得税はかかりません。
ただし、代償分割で現金ではなく不動産で代償する場合、不動産取得税が発生します。
4、登録免許税
相続により不動産を取得し、相続登記を行う際、不動産評価額に0.4%を乗じた額が登録免許税になります。
これに対し、代償分割で現金ではなく不動産で代償する場合、登記原因が「相続」ではなく、遺産分割による「贈与」にるので、不動産評価額に2%を乗じた額が、登録免許税になります。
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