地積測量図
1、定義
「地積測量図」とは、一筆の土地について土地面積(地積)や土地形状、位置関係、求積方法などを記載した図面のことです。
①土地を分筆したときに行う「分筆登記」
②登記簿上の土地面積を正確な面積に修正する「地積更正登記」
③新たな土地を登記簿に記載する「土地表題登記」
以上、3つのタイミングで作成されます。
地積測量図が作成されている土地であれば、所在地の管轄法務局に図面が保管されてます。
法務局で請求すれば誰でも確認可能です。
2、地積測量図が必要な場面
(1)土地の売買
土地の境界が曖昧な状態だと、買主が土地を購入後に隣地所有者と境界トラブルが起こる可能性があることから敬遠されます。
地積測量図を用意するか、確定測量図を作成しておけば、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
(2)土地の相続
相続税は原則相続開始を知った日(原則亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に申告、納付しなければなりません。
土地の相続税評価は実際の地積をベースとするので、申告、納付期限までに地積測量図を準備しておきましょう。
3、現況測量図、確定測量図との違い
現況測量図:現況の境界標、ブロック塀などを基準に測量し算出した土地面積を記載した図面
確定測量図:隣地所有者立ち会いのもと調査を行い、隣地との境界を確定させた図面
地積測量図 | 現況測量図 | 確定測量図 | |
取得先 | 法務局 | 測量会社 | 測量会社 |
境界の確定 | 作成時期による | 担保されない | 担保される |
取得費用 | 1筆450円 | 10万円~30万円 | 40万円~100万円 |
測量の正確性 | 作成時期による | 低い | 高い |
主な使用場面 | 土地の売買、相続 | 建物の新築 | 土地の売買、相続 |
4、「地積測量図は作成時期による」とは?
(1)現在の地積測量図
2005年の不動産登記法改正から用いられる。
求積の精度が高く、現地復元能力も高い。
(2)1993年から2005年までの間に作成された地積測量図
境界標の標記が義務化。比較的現地復元がしやすい。
(3)1993年以前に作成された地積測量図
境界標が記載されていないケースも多く、精度が低い
(4)1977年の法改正以前のものになると測量精度自体もかなり低い
5、地積測量図の取得方法
(1)法務局で取得
地積測量図の申請書に必要事項を記入、土地一筆あたり450円の収入印紙を貼付して窓口へ提出。
収入印紙は法務局で購入できます。
但し、法務局の業務時間は平日の午前8時30分〜午後5時15分までです。
平日夜や土日祝日は利用できません
(2)インターネットで申請。法務局で受け取る
「登記、供託オンライン申請システム」から申請、インターネットバンキングで手数料を納付、法務局で証明書を取得します。
窓口申請の手数料が450円であるのに対し、インターネット申請の手数料は365円と、手数料が安いです。
また、インターネット申請は平日21時まで利用できるので、仕事で日中申請するのが難しい方にもおススメです。
(3)インターネットで申請。郵送してもらう
インターネット申請+窓口受取の場合と異なり、手数料は窓口申請と同じ一筆あたり450円です。
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投稿者プロフィール
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◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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