遺言信託
1、遺言信託
遺言による信託(遺言信託)とは、遺言書によって設定される信託のことをいいます。
家族信託は信託契約によるのが一般的ですが、遺言書による設定も可能です。
2、遺言、遺言代用信託との違い
(1)遺言
「遺言」は、財産の承継者を指定できますが、財産の管理方法まで決めることはできません。
また、二次相続以降の財産承継者の指定も不可能です。
これに対し、「遺言信託」では、財産の管理方法、二次相続以降の財産承継者の指定もできます。
(2)遺言代用信託
「遺言代用信託」とは、家族信託の一つで、委託者の死亡後に受益者が信託財産の引き継ぎを受ける場合の信託をいいます。
契約で設定します。
あらかじめ委託者死亡時に受益権を得る者を定めることができ、遺言と同様、財産承継の機能を付与することができます。
3、遺言信託のメリット
(1)財産承継だけでなく、死後の財産管理まで任せることができる
(2)生前に権利を移転させなくてもよい
遺言なので、効力が発生するのは死亡時です。
通常の契約による家族信託では、生前に信託財産の所有権が受託者に移転します。
委託者の中には財産の所有権が生前に移転することに、心理的な抵抗を感じる方もいるでしょう。
遺言信託ならその心配はありません。
4、遺言信託の注意点
(1)生前の認知症対策には使えない
契約による家族信託であれば、万が一契約後に認知症になっても受託者が財産を管理、処分が可能です。認知症対策として使えます。
これに対し、遺言信託は、遺言なので死後に効力が生じます。認知症対策としては使えません。
(2)受託者に事前に意思を確認。承諾を受けておく必要がある
受託者が承諾していなくても、遺言者の死亡により信託の効力そのものは発生します(信託法第4条2項)。
受託者が引き受けなければ、利害関係人の請求により裁判所が受託者を選任しますが(信託法第6条1項)、手続きに手間がかかり、空白期間が発生します。
事前に承諾を受けておいたほうが確実です。
~関連記事~
認知症を発症し、本人の判断能力が低下していると金融機関が把握すると、 資産が凍結されます。
預金を引き出せなくなったり、自宅を売却できなくなったりします。
そこで、「認知症による資産凍結」を防ぐ目的で、親が自分の財産の管理・処分などを、信頼できる家族(子など)に託す仕組みが「家族信託」です。
高齢の親の生前の財産管理にお悩みの方。是非専門家にご相談を。
投稿者プロフィール

- 行政書士
-
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」
お気軽にご相談下さい。
最新の投稿
遺言書2025年4月3日[遺言書]シングルマザーが未成年後見人を指定するとともに遺言信託
遺言書2025年4月3日[遺言書]遺言により信託をする場合
終活、遺品整理、墓じまい2025年4月3日シングルマザー亡き後、元夫に財産を勝手にされないためには:遺言信託
家族信託2025年4月2日遺言信託