会社の経営者が認知症になったら
1、会社の経営者が認知症になったら
経営者が認知症になってしまうと、適切な判断が難しくなります。
その結果、経営判断の低下を招き、顧客や取引先からの信用が低下したりしてしまう、などの弊害があります。
特に中小企業のように、いわゆる「経営者ワンマン」の場合、その弊害の度合いは深刻です。
また、代表取締役の任期中に「後見開始の審判」を受けると、委任契約の終了事由に該当。これにより代表取締役を退任しなければならなくなります。
2、会社経営者が退任する場合
(1)経営者が唯一の会社代表者(代表取締役)の場合
①株主全員の合意で招集手続き省略
↓
②株主総会で新取締役を選任
(2)取締役会があり、役員が複数在籍している場合
取締役会設置会社は、少なくとも3人の取締役が必要です(会社法第331条5項)。
経営者が取締役を退任したことで取締役が2人となると、欠員が生じ、新しく取締役を選任しなければなりません。
新たな取締役の選任ですが、残りの取締役が取締役会を開催。株主総会を招集して、新しい取締役を選任します。
なお、経営者が代表者兼筆頭株主の場合、経営者の成年後見人が経営者に代わり、株主総会で議決権を行使することになります(民法859条第1項)。
3、経営者の認知症対策
(1)家族信託
家族経営の会社ですと「家族信託」があります。
父親が判断能力のある間、後継者である長男の教育をしつつ、ある程度の経営権は掌握している方法です。
◎具体的事例
経営を長男に任せたいが、まだまだ危なっかしい
委託者:父
受託者:長男(指図権を含む)
受益者:父
信託終了:父の死亡
帰属権利者:長男
①長男は「指図権付き経営権」を有しているので、父親が完全に経営権を失うことはない
②長男は「指図権付き経営権」を有しているので、父親が認知症を発症しても経営体制に問題はない
③父親は自分が元気な内は「指図権」を通じて長男に指示できる
(2)後継者に継がせる
①親族内承継:経営者の親族から後継者を選択
②従業員による承継:優秀な従業員の中から後継者を選択
③社外への引継ぎ:M&A等の実施
※関連記事
認知症を発症し、本人の判断能力が低下していると金融機関が把握すると、 資産が凍結されます。
預金を引き出せなくなったり、自宅を売却できなくなったりします。
そこで、「認知症による資産凍結」を防ぐ目的で、親が自分の財産の管理・処分などを、信頼できる家族(子など)に託す仕組みが「家族信託」です。
山梨県、甲府市で高齢の親の生前の財産管理にお悩みの方。是非専門家にご相談を。
投稿者プロフィール

- 行政書士
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◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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