家族信託:共有不動産の対策
1、事例
長男A、二男B、長女Cは、共有名義でマンション一棟(持分3分の1ずつ)を所持。持分に応じた家賃収入を得ている。
3名にはそれぞれ子供がいる
2、懸念事項
このまま共有名義を維持すると
㋐建物の賃貸借契約の締結のような「管理行為」は過半数の同意
㋑不動産の売却のような「変更行為」は全員の同意
が必要と、窮屈なことになります。
また、何等かの理由で共有者同士の仲が悪くなれば、共有者の誰かが認知症等、判断能力が失われれば、何も進まなくなります。
さらに、それぞれに相続が発生すると、マンションの共有者が増え、事態が複雑になります。
3、家族信託の活用
共有名義を維持するディメリットを無くす一つの解決策は「家族信託」。
㋐委託者&受益者:A、B、C
㋑受託者:Aの子(D)
㋒信託財産:マンション一棟
①信託契約を締結しても、受益者ABCは、これまでと同じく、家賃収入を得ることができます。
②A、B、Cが死亡しても、受益権はそれぞれの子供に引き継がれます。子供達は、家賃収入を得る事により、実質的にマンション持分を共同相続したのと同じ効果を得ることができます。
③たとえ、ABCが認知症になっても、受託者Dが影響なく建替え等、老朽化対策を決定、実行することができます。
④A、B、Cに相続が発生しても、受託者Dは、引き続き建て替え等、老朽化対策を決定、実行することができます。
4、家族信託にもディメリットが
上のスキームは、とにかく受託者Dの権限が強い。
A、B、C及びその子供達は家賃収入を得ることはできても、管理に口出しする権限がない。
家族信託締結前の話し合いで、全員の異論なくDに決まればよいですが、決まらないと「絵に描いた餅」になってしまう。
「共有名義を維持すると老朽化対策ができなくなる」。
いかにこの件について全員が納得する形で説明するのが大切。
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