運送会社が事業譲渡、事業売却したら、運送業許可はどうなる?

運送会社とは、「法人、個人から送料をもらって、人やものを目的地まで運ぶ事業(運送業)」を営んでいる会社です。

運送会社、ひいては運送業を行うには、国からの許認可が必要になります。

そして、「事業譲渡」は会社の事業を売買するものです。

M&Aと違い、会社のそれ自体を売買することではありません。

なので、事業譲渡を実行しても会社の独立性は保たれます。

一般的に、事業譲渡後は許認可、各種契約、従業員との雇用契約等が白紙となります。

これに対し、「事業売却」とは、事業そのものを売却することをいいます。

(1)運送業許可を引き継ぐことができる場合

包括的承継が発生するM&Aスキームなら、運送業許可のような許認可を買い手の会社がそのまま引き継ぐことができます。

包括的承継が発生するM&Aスキームとは、例えば株式譲渡です。

株式譲渡では売り手の会社は独立性を失うものの、会社の名義は変わらないため、許認可を維持することができます。

(2)運送業許可を引き継ぐことができない場合

①事業譲渡

事業の経営母体である会社の名義が変わるため、運送業許可のような事業の許認可が承継されません

②一部の株式譲渡

株式譲渡後に商号などが変更になったり、許認可を持つうえで必要な要件を満たせなくなった場合は許認可が承継できなくなります。

(3)条件付きで運送業許可を引き継ぐことができる場合

①合併

「合併認可申請」をすれば引き継ぎ可能です。

(1)運送事業を始めるにあたって十分な資金を持っている

①譲渡されたものの購入費用

②役員報酬、従業員への給与2ヶ月分

③車両のリース費用やローン6ヶ月分

(2)運送業を経営するうえで必要な施設を有している

①トラックなどの車両5台以上

②車両を十分に収容できる各種法令に抵触しない駐車場

③各種法令に抵触しない営業所

(3)特定の役職の従業員がいる

①運転手

②運行管理者

③整備管理者

(4)譲受会社の役員が法令試験に合格している

(1)M&A仲介会社等に相談

(2)事業譲渡、事業売却先の選定

(3)経営者同士の面談

(4)基本合意書の締結

(5)デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスとは、売り手の会社に潜在するリスクを洗い出し、精査する作業のことです。

デューデリジェンスはM&Aに欠かせないプロセスであり、税理士や会計士等、専門家の力を借りて行う必要があります。

(6)各種引き継ぎ、更新

(7)クロージング

最終契約の内容に基づいて経営統合を進めていきます。

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投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

山梨県甲府市の行政書士です。
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