起訴猶予と不起訴の違い

「起訴猶予は、容疑者が犯罪を犯したことは明らかであるけれども、起訴して裁判を受けさせるまでの必要はないと検察官が判断した場合に、不起訴処分とすることをいいます。

他に「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」などとして不起訴となることもありますが、これらは、犯罪を犯した疑いがない(犯罪を証明できない)から不起訴となるもので、犯罪を犯したことが明らかだけれども不起訴となる「起訴猶予」とは異なります。

刑事訴訟法第248条は「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」と規定してます。

令和5年度犯罪白書によると

㋐刑事事件(刑法犯)のうち、不起訴処分となる割合は63.8%

㋑そのうち、起訴猶予による不起訴処分は、69.2%

でした。

ただ、起訴猶予となった後でも、時効が完成するまでは、新たな証拠が発見されたり、起訴猶予が相当でないと判断させる新たな事情が生じたりすれば、起訴される可能性があります。

簡単に書くと、「容疑があるか、ないか」(あれば起訴猶予)です。

不起訴には、嫌疑なし、嫌疑不十分があります。

◎起訴猶予のメリット

①有罪判決を受けるリスクを回避できる。

②前科が付かない

有罪の判決を受ければ、当然、前科が付きます。

執行猶予付きの判決であれば、すぐに刑務所に入らなくても済みますが、それでも、有罪の判決であることに変わりはなく、前科が付いてしまいます。

起訴猶予となれば、裁判を受けずに済みますので、前科が付きません

◎起訴猶予のディメリット

①前科は付きませんが前歴は付く

②起訴猶予だったとしても、会社から解雇処分を受ける可能性がある

Follow me!

投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。

当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」

お気軽にご相談下さい。