相続人の中に、生前親不孝な態度に激怒され、勘当された人がいるのですが…
1、勘当
「勘当」に法的な効力はありません。
勘当されても法定相続人であることに変わりないので,遺産分割協議に参加する資格があります。
なので、勘当された相続人を除いて行った遺産分割協議は無効となります。
仮に、勘当された相続人が所在不明となっている場合、戸籍の附票や住民票から所在を探さなければなりません。
2、勘当された相続人の所在が分からない場合
どうしても相続人の所在は分からない場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、不在者財産管理人と他の相続人で遺産分割協議を行うことになります。
「不在者財産管理人」は、不在者の財産に関する保存行為、目的の物や権利の性質を変えない範囲における利用や改良行為(民法第103条)を行うことができます。
これらを超える行為については、家庭裁判所で、権限外行為の許可を得ることが必要とされています(民法第28条)。
遺産分割協議を行う場合、この権限外行為の許可が必要となります。
裁判所は、不在者が不当な不利益を受けないように配慮することを第一に考えるので、不在者の法定相続分を下回るような財産しか取得しない内容の遺産分割協議案を、原則として許可しません。
なので、最低でも不在者が法定相続分の相続分を取得する形で、遺産分割協議がまとまることになります。
不在者財産管理人は、行方不明者が現れるまで、取得した遺産を預かることになります。
不在者財産管理人の任務が終了するのは以下の場合です。
①不在者が現れたとき
②不在者の死亡が確認されたとき
③不在者の失踪宣告が行われたとき
◎不在者財産管理人の選任:裁判所HP
投稿者プロフィール
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