地主に借地権を買い取ってもらうには

借地権」とは、建物を建築するために地主から土地を借りる権利のことをいいます。
旧借地権の場合は20年以上、普通借地権の期間は30年以上です。

借地権も財産なので借地権者が亡くなれば、その権利は相続されます。

相続人がその土地を使う予定がない場合、地主に借地権を買い取ってもらうことができるか?

借地借家法13条に「建物買取請求権」についての規定がありますが、これは地主が更新を拒否した際、請求できる規定です。

残念ながら、借地借家法には、借地権者側の事情で、地主に借地権を買い取ってもらう規定はありません。

買い取ってもらうのは地主との交渉次第となります。

◎メリット

①毎年支払う借地料から解放される

②第三者に借地権を売却する場合、地主の承諾を得て譲渡承諾料を支払わなければなりませんが、借地権を地主が買い取る場合は、譲渡承諾料がかからない

◎ディメリット

①思った価格で売却が困難

当然ですが、借地権者はできるだけ高く売却したい、地主はできるだけ安く買いたい。

上にも書いた通り、地主に借地権を買い取る義務はないので、どうしても売り主の方が立場が弱くなる。

②借地権者の「どうしても売りたい」立場を利用して、地主が借地権を買い取る+建物撤去。更地にする、まで要求される可能性がある。

(1)解体費用はどちらが負担?

借地権上の建物を現況で引き渡すのか、それとも更地にして引き渡さなければならないのか

忘れずに交渉しなければなりません。

(2)更地にしたものの…口約束ですと、解体して更地にしたにも関わらず地主が買い取りを拒否する、といったトラブルが発生します。

なので、口頭での約束ではなく書面による契約を結ぶことが必要です。

引き渡しまでに更地にする義務が借地権者側にある場合には、地主の都合で売買契約が解除になる場合の解体費用負担等、契約書に明確に記載しておきましょう。

(1)地主に借地権を返す

借地権者には「原状回復義務」があります。

借地上の建物を解体。更地に戻し地主に返還しなければなりません。

(2)第三者に売却

第三者に借地権を売却する際は地主の承諾や承諾料の支払いが必要になります。

(3)引き続き借地権を所有する

自己使用のほか、建物を賃貸に出して毎月賃料をもらう方法があります。

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投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

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