生命保険信託:障害のある子供がいる、シングルマザー

㋐委託者:父親

㋑受託者:妻

㋒第二受託者:子供

㋓受益者:父親、障害のある子供(扶養義務の範囲内の時期)

㋔第二受益者:障害のある子供

㋕信託財産:預金等(両親が障害のある子供のためにせっせと貯めたもの)

しかし、仮に子供が障害のある子供1人の場合、妻が亡くなった時点で受託者がいなくなり終了となってしまいます。

そこで「生命保険信託」です。

「生命保険信託」とは、信託銀行等が生命保険の保険金受取人となり、万が一の時に、死亡保険金を受け取り、保険契約者が生前に定めたご親族(例:障害をもった子供)等に、予め決められた方法で、受け取った保険金により金銭をお支払いするものをいいます。

㋐通常の生命保険ですと、相続発生の際、受取人の障害のある子供自身が手続きしなければなりませんが、障害の程度によっては手続きできない可能性もあります。

その点、生命保険信託ですと、受託者である信託銀行等が生命保険会社に死亡保険金を請求してくれるので安心です。

㋑障害のある子供自身が一括で多額の死亡保険金を受け取ることになると、詐欺などの被害に遭う可能性があります。

その点、生命保険信託ですと、例えば契約時に「毎月生活費として10万円振り込む」としておくことができるなど、柔軟な対応が可能です。

㋒果たして親亡き後、障害のある子供自身が振り込まれたお金を管理できるか?、ですが、生命保険信託ですと、予め「毎月、生活費として10万円を子供の世話をしてくれる人(指図権者:親族でなくてもよい)の口座に振り込む」と決めておくことができます。

例:母35歳と子供12歳。

母親は自分に万が一のことがあった場合に備えて、生命保険に入りました。

しかし子供はまだ12歳。一度に大きな額の死亡保険金を受け取っても、管理するのが難しいでしょう。

そこで生命保険信託です。

(1)手数料がかかる

例:

㋐信託契約締結時:数万円

㋑金銭信託設定時等:死亡保険金の2%程度

㋒信託報酬:年間2万円

(2)信託可能な保険金額が高額

例えば「最低1000万円以上」と設定されています。

(3)指図権者になってくれる協力者(支援者)がいないと難しい

障害のある子供自身または未成年の子供自身の口座に振込んだとしても、使用、管理するのが難しいでしょう。

親族もしくは信頼出来る協力者(支援者)が必要です。

遺言による信託(遺言信託)とは、遺言書によって設定される信託のことをいいます。

家族信託は信託契約によるのが一般的ですが、遺言書による設定も可能です。

家族信託と同様、財産承継だけでなく、死後の財産管理まで設定。任せることができます。

「特定贈与信託」とは、障害を持った人が不自由なく、安定した生活を送れるように、本人の親族等が本人の財産の管理、運用を信託銀行などに任せる方法です。

委託者:障害者を持った子供の親族等

受託者:信託銀行等

受益者:障害を持った子供

①委託者である本人の親族等が、信託銀行等(受託者)に財産を信託

②受託者が管理、運用する財産は、受益者が不自由なく、安定した生活を送るための生活費、医療費等として定期的に交付。

それ以外の用途では使用できない

③信託財産から得られる利益は、障害を持った子供(受益者)が受け取れます

障害の程度ですが「特別障害者」に該当することが要件です。

受益者が特別障害者ですと最大6000万円まで、特別障害者以外の特定障害者ですと最大3000万円まで贈与税が非課税となります。

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家族信託

「家族信託」は、所有権を「財産権(財産から利益を受ける権利)」と「財産を管理運用処分できる権利」とに分けて、後者だけを子供等に渡すことができる契約です。

障害のある子供を家族信託で守るには

◎事例: 両親がいて、子供が2人。1人は未成年。重度の障害者。 何もしなければ、両親の死後、ある時点で障害のある子供に成年後見人を付けなければならなくなります。…

山梨県、甲府市で見守り契約、財産管理契約、任意後見契約、遺言書の作成、公正証書遺言の原案作成、尊厳死宣言公正証書の原案作成、死後事務委任契約、終活に関する様々な問題にお困りでしたら、ご相談承けたわまります。

投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

山梨県甲府市の行政書士です。
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