「墓じまい」を「死後事務委任契約」で
1、死後事務委任契約
「死後事務委任契約」とは、委任者(本人)が第三者(個人、法人を含む) に対し、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等に関する代理権を付与して、死後事務を委任する契約のことをいいます。
依頼できる内容として
①葬儀、お墓の管理
②行政への届出
③賃貸住宅の明け渡し
④医療費、施設使用料の精算
などを挙げることができます。
2、墓じまい
「墓じまい」とは、墓石を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還することをいいます。
法律上、お墓に納められているご遺骨を勝手に取り出して別の場所に納骨したり、廃棄したりすることはできません。行政の手続きが必要です。
近年、地方の過疎化や少子化、高齢化等の影響もあり、継承する方がいない無縁墓が増えています。
また
①子供に負担をかけたくない
②遠方にお墓がありお墓参り、管理が難しい
等、お墓に対する価値観の変化から、お墓じまいを検討する方が増加しています。
3、「墓じまい」は遺言執行者と死後事務委任受任者、どっちが行う?
遺言書に「墓じまい」についての記載があり、かつ、死後事務委任契約で「墓じまい」について締結しており、遺言執行者と死後事務委任契約の受任者が別の方である場合、後者が「墓じまい」を執り行うのが適任です。
なぜなら、墓じまいが「財産処分」ではなく「祭祀承継」に関する行為であり、民法で祭祀承継者が行うと定められているからです(第897条)。
特に、いわゆる「おひとり様」のように祭祀承継者がいなければ、死後事務委任契約の受任者が代行者となります。
3、「墓じまい」の費用は?
「墓じまい」の費用についてどのようにするか、については「死後事務委任契約」の中で定めておく必要があります。
具体的な方法として
①受任者に執行費用を寄託しておく
②契約の相手方(受託者)に遺言執行者も兼任してもらい、相続財産の中から支払う
③委任者が亡くなった際の生命保険を充てる
などがあります。
被相続人(委任者)の死後、トラブルとならないように準備しておくことが大切です。
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投稿者プロフィール

- 行政書士
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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