賃貸アパート経営を引き継ぐには生前贈与?

賃貸アパートの生前贈与とは、相続発生前にアパートの建物や土地を贈与することですが、両方を贈与すると、贈与税の負担が増えてしまうため、一般的には、家賃収入を産む「建物だけ」を生前贈与します。

◎生前贈与の方がよい場合

①所有者(親など)の認知症対策。

判断能力を失う前に子供などに生前贈与しておけば、子供がアパートの管理、運用、処分することができます。賃貸借契約の締結も可能です。

②家賃収入を特定の人に取得させたい。

(1)贈与税の評価額を下げることができる例えば、現金5000万円を生前贈与する場合、贈与税の課税対象額は5000万円-基礎控除110万円=4890万円となります。

これに対し、賃貸アパートを生前贈与する場合、たとえ5000万円で購入したとしても、贈与時の評価額は時価(実勢価格)の50~70%となるため、贈与財産の評価額を下げることができます。

(2)贈与後の賃貸収入は受贈者のものになる

(3)特定の者に引き継がせることができる

(1)相続時に土地の相続税評価額が高くなる

例えば、アパートの建物部分のみを親が子供に生前贈与した場合、土地部分は親が所有者のままです。

この場合、子は親から土地を借りているので「貸家建付地」となりますが、小規模宅地等の特例対象となる「貸付事業用宅地等」に該当せず、「小規模宅地等の特例」が適用できなくなることから、相続税負担額が上がる可能性があります。

(2)税負担が増す

①相続ではかからない「不動産取得税」を課されます。

②登録免許税:

相続の場合、固定資産税評価額の0.4%なのに対し、生前贈与の場合は2.0%となります。

(3)相続発生時に、他の相続人から「特別受益」を主張される恐れがある。

「特別受益」が認められた場合、贈与財産を相続財産に足し戻して遺産分割をする必要があります。

ただし、既に贈与税が課されているので、相続税は課税されません。

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特別受益

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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