見守り契約
1、定義
「見守り契約」とは任意後見が始まるまでの間に、支援する方が定期的に本人と電話連絡。
併せて、本人の自宅を訪問して面談することにより、支援する方が、本人の健康状態、生活状況等を確認することによって、任意後見をスタートさせるかどうか判断するための契約。
2、主な契約締結のパターン
(1)パターン1(完璧な4点セット)
①見守り契約
②財産管理委任契約:判断能力はあるものの、体力等の理由で身の回りの事が出来なくなった場合の備え
③任意後見契約
④死後事務委任契約:亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等に関する代理権を付与、死後事務を委任
(2)パターン2(見守り契約の期間中に認知症等で判断能力が無くなってしまった場合)
①見守り契約
②任意後見契約
③死後事務委任契約
(3)パターン3(見守り契約期間中に亡くなってしまった場合)
①見守り契約
②死後事務委任契約
3、見守り契約の位置づけ
任意後見契約は、契約直後から後見が開始されるわけではなく、ご本人の判断能力が低下した後、裁判所への手続きを経て、任意後見人が正式に就任することにより、初めてその効力が発生します。
任意後見契約を締結した後に、ご本人の判断能力が低下していても、正式に就任しない限り、基本的に何もすることができません。
「見守り契約」は任意後見人になる予定の方が、ご本人と定期的にお会いし、コミュニケーションを取る事によって、任意後見契約の発生させるタイミングを計る為の契約
これにより、任意後見契約を結んだものの、裁判所への手続きが遅れて効力発生が遅れる事態等を防ぐことが出来ます
4、見守り契約の内容(一例)
(1)契約の目的
第1条(目的)
本契約の目的は乙が地域社会において安心して暮らせるように、甲が定期的な電話による連絡又は訪問を行うことで乙の健康状態、生活状況等を把握することを目的とする
(2)契約の内容:月々の訪問回数、訪問日等を定めておく
第2条(内容)
1、甲は乙に電話連絡又は訪問によって見守りを行う
2、甲は乙に次のように見守りを行う
①週に1回以上の電話
②月に2回以上の訪問
(3)契約期間:自動更新も可能
第3条(期間)
1、本契約の締結期間は契約締結日から1年間とする
2、契約期間満了日の1か月前までに、甲又は乙から相手方に対して契約終了の意思表示がなければ、本契約と同一条件で1年間更新するものとし、その後も同様とする
5、見守り契約の料金(一例)
契約書作成 | 22000円(公正証書作成11000円加算) |
電話のみ(月1回~2回程度) | 5500円 |
電話+訪問(月1回、2回程度) | 11000円 |
電話+訪問(週1回) | 22000円 |
駆けつけ | 1回5500円 |
※上記料金は「税込」の金額
6、まとめ
「見守り契約」を単独で締結しても
①買い物等、身の周りの世話を頼むことが出来ない
②銀行等、代わりに行ってもらうことは出来ない
等、不十分な点があります。
セットで「財産管理委任契約」を締結すれば①②も可能ですし、介護を要するなら要介護認定→ヘルパー派遣、の選択もある。
何か分からないことがあれば安心して専門家にご相談下さい。
投稿者プロフィール
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◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
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