遺言書で不動産の売却を指定するには:清算型遺贈
1、清算型遺贈
「清算型遺贈」とは、遺言者死亡後、遺言執行者などが、不動産などの財産を売却して現金化することで、得られた売却益を相続人間に分配する方法をいいます。
2、遺言書の記載例
第〇条 遺言者は、遺言者の所有する下記不動産を換価し、その換価金から遺言者の一切の債務を弁済し、かつ、遺言の執行に関する費用を控除した残金を、次のとおり相続させる。
(1)土地
所 在 甲府市丸の内1丁目
地 番 101番
地 目 宅地
地 積 100平方メートル
(2)建物
所 在 甲府市丸の内1丁目101番地
家屋番号 101番
種 類 居宅
構 造 鉄筋コンクリート造
床面積 1階 75.52平方メートル
2階 58.89平方メートル
第○条 遺言執行者の指定
本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。
住 所 山梨県甲府市北口1丁目1番1号
職 業 司法書士
氏 名 法務忠成
生年月日 昭和33年3月3日
住 所 山梨県甲府市中央1丁目1番1号
職 業 行政書士
氏 名 総務故郷
生年月日 昭和44年4月4日
なお、上記遺言執行者らは、それぞれ単独で本遺言を執行することができる。
第〇条 遺言者は、遺言執行者に次の権限を授与する。
1 遺言者の有する預貯金等の名義変更、解約、払い戻しなど、この遺言に必要な一切の権限
2 他の相続人及び受遺者の同意を必要とせず単独で、遺言者の貸金庫の開扉、点検、在中品の受領、貸金庫契約の解約
3 換価のための不動産の処分
第〇条 遺言執行者の報酬を〇万円と定める。
※不動産を特定するのは「地番、家屋番号」。住所ではない
※登記簿謄本(登記事項証明書)の通り記載する
※附属建物がある場合、漏れなく記載する
※遺言執行者を1名しか指定しないと、万が一、死亡、病気等で就任できない場合、「遺言執行者がいない」と同様の状態になってしまう。
※「それぞれ単独でできる」旨の規定がないと、執行者の過半数(2名の場合は2名)で執行業務を行わなければならなくなるため、かえって煩雑化する。
※万が一の場合に備え、代わりの遺言執行者を指定しておく。
※遺言執行者の権限を明記しておくことによって、銀行が安心して遺言執行者に手続きをさせることができる。
※遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる(民法第1016条)。
※報酬額を定めておくことによって、相続人同士で話し合う手間を省くことができる。
3、清算型遺贈のメリット
(1)公平な遺産分割が可能となる
不動産と異なり、金銭なら相続人間で公平に分けることができます
(2)相続税の納税資金を用意することができる
相続税の納付期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日」です。
他の方法として「生命保険金で」などを挙げることができます。
(3)空き家対策にもなる
空き家のまま放置し続けると、建物の破損や倒壊で保安上の危険があるなどの弊害が生じます。
最悪
「行政による特定空き家の指定。土地の固定資産税が最大6倍に」
↓
「所有者の負担で行政代執行による解体」
となってしまいます。
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
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