親の介護をしない兄弟がいる。どうする?

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(民法第877条)。

直系血族とは、父母、祖父母、子供、孫、ひ孫などが該当します。

また、

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法第752条)。

夫婦にも扶養義務があると規定しています。

とはいえ、兄弟の中には「遠方に住んでいる」「仕事が忙しい」などの理由で親の介護に協力してくれない場合もあります。

結果、親の住んでいる実家に近い兄弟が1人で親の介護を押し付けられることになります。

自分にも家族がいて、仕事もある。親の介護で配偶者に協力してもらうにしても自ずと限界があります。

とにかく、一人で抱え込まないことです。

そんな時は各自治体の「地域包括支援センター」に相談してみましょう。

地域包括相談センターは、地域における介護・保健・福祉・医療の総合的な相談窓口です。

専門知識を持った職員、社会福祉士、ケアマネージャーなどが、高齢者が住み慣れた地域で生活できるよう、介護サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じてます。

具体的には

(1)介護ケアマネジメント

要支援と認定された人や、支援や介護が必要となる可能性が高い人を対象に、身体状況の悪化を防ぎ、自立した生活が継続できるよう、介護を目的とした支援。

(2)総合的な相談

認知症対策、退院後の支援など、高齢者の困ったことに対し、必要なサービスや制度を紹介。

(3)権利擁護

金銭管理、虐待の防止など、高齢者の方が安心して生活できるよう、権利を守ることに従事。

相談は「無料」です。気兼ねなく相談してみてください。

※参考:甲府市HP

まずは、どのような介護が必要か、何にどれくらいの費用がかかるかをまとめ上げ、介護自体が無理なら費用だけでも協力を、など、兄弟同士話し合ってみましょう。

具体的にできることから協力してもらう、のがカギです。

話し合いの結果、親の介護をしない兄弟に軟化の姿勢が見え始めたら、試しに親の介護を1日でも体験して介護の苦労を知ってもらうなど、また一歩前進することもあります。

また、兄弟が兄弟を説得するのではなく、ケアマネージャーなど、第三者の通じて協力を依頼する方法もあります。

どうしても親の介護について兄弟の協力を得ることができなければ、介護の負担を軽減するため「介護保険サービス」の利用を検討します。

介護保険サービスを利用するには、まず、地域包括支援センターへの相談を経て、または役所の高齢者福祉窓口に「要介護認定」の申請を行います。

◎必要書類

①申請書

②介護保険証

③かかりつけ医のわかるもの(診察券等)

④マイナンバーが確認できるもの

(1)ケアマネージャーが訪問

申請者の状態や、日常生活、家族や住まいの環境などについて聞き取りをします。

(2)かかりつけ医(主治医)が意見書を作成

(3)一次判定(コンピューターによる)

訪問調査の結果とかかりつけ医の意見書の項目をコンピュータに入力して判定

(4)二次判定(審査会による)

一次判定やかかりつけ医の意見書等を基に保健、医療、福祉の専門家が二次判定を行います。

(5)要介護度の結果通知

要介護度判明後、自宅もしくは介護施設で介護サービスを受けることができます。

(1)自宅で介護サービスを受ける場合

まず、「居宅介護支援事業者」を選択します。

居宅介護支援事業者とは、ケアマネジャーを配置しているサービス事業者を指します。

市区町村のホームページなどで調べることができます。

居宅介護支援事業者からケアマネジャーを紹介されたら担当を決めます。

担当とケアプランを作成後、利用を希望される各通所サービス事業者と契約。サービスの利用を開始します。

(2)介護施設入居の場合

まず、介護施設を選びます。

施設選びの際は必ず見学をして、サービス内容や費用面を事前に確認しましょう。

入居したい施設が決まったら正式に申込みをします。

特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム等の場合、ケアプラン作成は、施設のケアマネジャーが担当します。

住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの場合は利用者がケアマネジャーを自由に選べます。

※参考:「厚生労働省HP

介護サービスを受けることにより介護の負担が軽減したとしても、親の介護における兄弟間の不公平は解消されません。

解消するには、相続時に親の介護をしなかった兄弟より多くの遺産をもらう、があります。

(1)親に遺言書を作成してもらう

遺言書があれば、相続人全員による遺産分割協議を行う必要がなく、遺言書が優先されます。

介護時にそれとなく「介護の負担を考慮して欲しい」から話を切り出し、親に遺言書を書いてもらう相談をします。

もちろん、親の側から療養看護につとめてくれたことに感謝の気持ちを込めて、より多くの財産を割り当てる内容で遺言書を作成してくれれば、何の問題もありません。

(2)親と「負担付死因贈与契約」を締結する。

「負担付き死因贈与契約」とは、例えば「私が死ぬまで介護を続けてくれたら財産を〇〇円あげます」とかの条件付き贈与契約です。

遺言と異なり、相手の同意がないと契約を変更できない。また、介護しないと財産が貰えないことから、お互いにとって安心感があります。

(3)生命保険の受取人に指定してもらう

生命保険金は相続財産に含まれず、遺産分割の対象にはならないため、遺産とは別に受け取ることができます。

扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める(民法第879条)。

親の財産がない、介護の費用について、どうしても他の兄弟の協力が必要、などの事情がある場合、扶養請求調停を申し立てる方法があります。

調停では調停委員が双方の言い分を交互に聞く形式で進めていきます。

調停でも話し合いがまとまらなかった場合、審判に移行。

審判では裁判官が当事者の経済状況や生活状況などを総合的に考慮し、扶養の要否や程度、金額などを決定します。 

※参考:「裁判所HP「扶養請求調停

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