飲食店の畳敷きの客席設備は造作?
1、事例
Q:
ビルの飲食店舗用の物件を和食店に賃貸しました。
契約終了時に伴い、賃借人が設置した「畳敷の客席設備」を「造作」として時価で買い取るように請求されています。
買取義務はありますか?。
2、造作買取請求権
借地借家法33条は「建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。」と規定しています。
◎要件
①対象が造作であること
②その造作が賃貸人の同意を得て付加したものであること
③賃貸借が終了すること
ここでいう「造作」とは、「建物に付加されたもので、賃借人が所有し、かつ、建物の使用において客観的に便益を与えるもの」とされています。
なので、「賃借人がその建物を特殊な目的に使用するため特に付加した設備は造作には含まれません。
和食店舗用の畳敷の客席設備は、建物の使用に客観的に便益を与えるものではないとして、買取請求の対象となる造作には該当しないことになります(大阪地裁昭和58年5月31日判決)
3、造作買取請求権の放棄の特約も有効
旧借家法においては、造作買取請求権の規定は強行規定とされ、当事者間でこれと異なる特約をしても無効であるとされていました。
したがって、平成4年8月1日前に締結した、旧借家法の適用のある借家契約)の場合には、「借家人は造作買取請求権を放棄する。」という特約を設けていても無効です。
賃貸人は「造作」の要件が満たされている限り、買い取る義務があります。
しかし、平成4年8月1日施行の借地借家法により、造作買取請求権は任意規定とされ、借地借家法の定めと異なる内容の特約も有効となりました。
平成4年8月1日以降に新規にした建物賃貸借契約については、賃貸借契約で造作買取請求権を放棄する旨の特約があれば、借家人は造作買取請求権を行使することができません。
投稿者プロフィール

- 行政書士
-
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」
お気軽にご相談下さい。
最新の投稿
遺言書2025年4月3日[遺言書]シングルマザーが未成年後見人を指定するとともに遺言信託
遺言書2025年4月3日[遺言書]遺言により信託をする場合
終活、遺品整理、墓じまい2025年4月3日シングルマザー亡き後、元夫に財産を勝手にされないためには:遺言信託
家族信託2025年4月2日遺言信託