〇〇の壁
1、100万円の壁
パートやアルバイトをしていて給与収入がある人は、一般的に年収が100万円を超えると住民税がかかります。
年収が100万円以下で住民税がかからない場合は、収入が増えればその分だけ手取りが増えますが、年収が100万円を超えて住民税がかかる場合は、手取り額は収入から住民税を引いた金額となります。
2、103万円の壁
パートやアルバイトで給与収入がある人は、一般的に年収が103万円を超えると所得税がかかります。
給与所得者の場合、基礎控除に加えて給与所得控除を最低55万円は受けられるので、年収103万円までは所得税が0円です。
これに対し、年収が110万円の場合、103万円を超える7万円に対して所得税がかかります。
年収110万円なら所得税率は5%なので、3500円の所得税が発生、この金額だけ手取りが減ります。
3、106万円の壁
「106万円の壁」とは、社会保険料がかからずに済むボーダーラインです。
厳密には月額賃金88000円が基準ですが、一般的に「年収106万円の壁」といわれます。
パートやアルバイトなどの短時間労働者は、以下の要件に該当すると社会保険加入の対象となり社会保険料がかかります。
①勤務先の従業員数が51名以上(2024年10月より)
②週の所定労働時間が20時間以上
③月額賃金が88000円以上(年間約106万円)
④2ヶ月を超える勤務の見込みがある
4、130万円の壁
「130万円の壁」とは、社会保険に関するボーダーラインで、家族の扶養に入れるかどうかの基準です。
年収が130万円以上だと一般的に家族の扶養から外れ、自分で社会保険に入らなければならないため社会保険料がかかります。
平均的に月々の収入が108333円までであれば、年収130万円未満に収まります。
なので、130万円の壁を意識して働く場合は、月収108333円が目安です。
5、年収の壁・支援強化パッケージ
現行の社会保険制度では、会社員の配偶者などで一定の収入がない人は被扶養者(第3号被保険者)として社会保険料を負担していません。
こうした人たちがパートやアルバイトなどで働いてその収入が一定額を超えた場合、社会保険料の負担が発生してしまい、結果として手取り収入が減少します。
このような形で手取り収入が減らないように年収を抑えようと意識する金額のボーダーラインがいわゆる「年収の壁」です。
この「年収の壁」を踏まえて、手取り収入を減らさないように就業時間を調整するなど、働き控えする人は少なくありません。
こうした「働き控え」は、パートやアルバイトで働くかたたちの所得向上を阻むだけでなく、企業の人手不足を加速する原因の一つとなっています。
そこで政府は、令和5年(2023年)10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」を開始しました。
パート・アルバイトで働くかたが「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくりを支援するため、「年収の壁」を超えても手取り収入が減らないようにするための対策を盛り込んだ内容となっています。
※参考:「厚生労働省HP」
※参考:「政府広報オンライン「「年収の壁」対策がスタート!」
投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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