夫婦で遺言書を作成するには
1、夫婦で共同で遺言書作成は無効
遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない(民法第975条)。
たとえ夫婦でも共同で遺言書を作成するのは法律で禁止されています。
2、夫婦で遺言書を作成する際は公正証書遺言で
夫婦で遺言書を作成するには、別の書面で同時に作成すれば可能です。
その際は公正証書遺言で遺言書を残すことをお勧めします。
公正証書遺言は、遺言者が相続などについての自分の意思を「公証人」に口授。
証人2名の立ち合いの下、法的な効力を備えた公的な文書(公正証書)として作成してもらったものです。
証明性、有効性が高く、かつ法的な執行力をも備えている点で、後々のことを考えると何かと安心です。
3、遺言書で指定した相続人が先に亡くなったら?:予備的遺言
相続させたいと思っていた人が遺言者よりも先に亡くなってしまうリスクはゼロではありません。
その場合、作成した遺言書は無効となります。
このような「逆縁」に備え、予備的に遺言者の遺産を相続させたい次の遺言者を指定しておくことが可能です。
これを「予備的遺言」といいます。
◎文例
第○条 遺言者は、遺言者の有する下記の預貯金を、長男甲府一郎(昭和44年4月4日生)に相続させる。
記
1.甲府銀行 甲府駅前支店 普通預金 口座番号11111111
2.丸の内信用金庫 丸の内支店 定期預金 口座番号11111111
3.ゆうちょ銀行 甲府駅前支店 通常貯金 記号22222
第〇条 遺言者は、上記甲府一郎が遺言者より早く亡くなったときは、第〇条により、上記甲府一郎に相続させるとした預貯金を、長女甲府咲子(昭和50年5月5日生まれ)に相続させる
4、子供のいない夫婦は「たすきがけ遺言」
「たすきがけ遺言」とは、夫は「自分が妻より先に死んだ場合には遺産はすべて妻に相続させる。」という遺言書を書いておき、妻は「自分が夫より先に死んだ場合には遺産はすべて夫に相続させる。」という遺言書を、相互に書いておくことをいいます。
子供がいない夫婦。
必ずしも一方が亡くなったら他方がすべて相続、ではありません。
夫に兄弟姉妹がいれば、夫が亡くなった場合、妻の法定相続分は3/4。兄弟姉妹のそれは1/4になります。
「たすきがけ遺言」をしておけば、兄弟姉妹には遺留分がないので、すべての財産が妻に相続されます。
このように「たすきがけ遺言」をしておくことによって、夫婦のどちらが先に亡くなっても、残された方の心配をする必要がなくなります。
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